環境批判かわすため?ファッション界の帝王 プライベートジェット機レンタルに切り替え

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ディオールやルイ・ヴィトンを傘下に収めるLVMHのベルナール・アルノー会長兼最高経営責任者が、会社のプライベートジェットを売り払ったことを明かした。ネットユーザーらによって、飛行記録が追跡、公開されていたことが原因だという。

ブルームバーグによると、アルノー氏は、フランスのラジオ番組で「LVMHはプライベートジェット機を所有していたが売却した」と認め、「誰も私がどこへ行くかわからない。プライベート飛行機を借りているから」と、現在はレンタルで利用していることを明かした。

最近ツイッターでは、有名人のプライベートジェットを追跡するアカウントが多くのフォロワーを獲得しているが、そこから本人の非難につながるケースも発生している。これまで、スティーブン・スピルバーグ監督や歌手のテイラー・スウィフトが、環境保護を訴える一方で、私生活でプライベートジェットを乗り回しているとして、「偽善者」「エコ犯罪」といった批判にさらされた。テスラのイーロン・マスク氏は、自身を追跡するアカウント「@ElonJet」について、身の危険があるとして、運営者に買い取ることを提案したこともある。

LVMHのジェット機については 「@i_fly_Bernard」 と「@laviondebernard」といった追跡アカウントが、合計で10万フォロワーを獲得し、環境破壊を非難するなどしている。

一方、長男アントワーヌ・アルノー氏はテレビ番組で、夏に売却したことを明かしつつ、「飛行機は仕事の道具」とプライベートジェットの利用を擁護。競争が超熾烈な業界で、幹部が、他社よりも早く、新商品や取引をまとめるのに必要との考えを語った。

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アルノー氏は現在、イーロン・マスクに次ぐ世界第2位の富豪で、純資産は1500億ドルを超え、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス(1427億ドル)を上回っている。

売却したのはボンバルディアのグローバル 7500と呼ばれる機種で、ビジネスインサイダーによると、カイリー・ジェンナーやオーストラリアの富豪、アンドリュー・フォレスト氏らも所有している。

2018年に導入され、今年3月に100機目が納入されたと発表された。2019年頃の販売価格は、カスタマイズなしで7,300万ドルからだったという。

ビジネスジェットとしては世界最大で、全長33.8m、翼長31.7m、高さ8.2m、最大座席数は16人。レンタルの場合、パラマウントジェットは、一時間あたり10,650ドル(157万円)で提供している。