マルコムX暗殺事件にニューヨーク市警とFBI関与の可能性!?弁護士が新証拠

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黒人運動指導者マルコムX(Malcolm X)の暗殺事件について、人権弁護士ベン・クランプ氏が新たな証拠を提示した。

マルコムXは1965年2月21日、マンハッタン北部ワシントンハイツにあるシアター「オーデュボン ・ボールルーム」で演説の準備中に銃撃され死亡した。

事件からちょうど59年目にあたる21日、クランプ氏らはマンハッタンで会見を開き、当時マルコムXの警護をしていた二人の男性が、事件の5日前にニューヨーク市警察によって逮捕されていたと明らかにし、市警察とFBIが暗殺を成功させるために共謀した可能性があると主張した。

会見に参加したカリール・サイード氏(81)によると、事件の1ヶ月前に知り合ったレイモンド・ウッドという男性から、自由の女神を破壊する計画をもちかけられた。真剣な話しだと受け取らず、その後計画の話を耳にすることはなかったが、暗殺事件の5日前、マルコムX宅の警護をしている最中に同計画に関わった容疑でニューヨーク市警察によって逮捕された。ウッドについて後に覆面捜査官だったことを知る。

サイード氏は、逮捕がなければ演説に参加し、警護に加わっていたと説明。逮捕は、ニューヨーク市警察(NYPD)と特別捜査局(BOSSI)、FBIによる暗殺計画を確実に成功させるための計画との考えを示した。

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もう一人の男性、ウォルター・ボウ氏は、健康上の理由から会見に参加せず、弁護士が証言を読み上げた。ボウ氏もサイード氏と同様、ウッドが捏造した自由の女神の破壊計画に関与したとして、暗殺の5日前にニューヨーク市警察によって逮捕された。証言では「あの日、オーデュボンに居合わせていたら、マルコムX暗殺という政府の陰謀を阻止できたかもしれないと思う」と振り返り、「ウッド、NYPD、BOSSI、FBIは、私やマルコムXの警護メンバーを意図的に逮捕し、われわれが会場に参加することを妨げ、暗殺が確実に成功するよう共謀したのだと信じている」と述べた。

事件には長年、不可解な点が指摘されており、2020年にNetflixのドキュメンタリー『マルコムX暗殺の真相 』(Who Killed Malcolm X?)が配信された後、マンハッタン地区検事局が捜査の再開に着手。2021年に実行犯とされた3人のうち、2人の有罪判決が取り消された。

判決が取り消しとなったのはムハンマド・アジズさん(83)と、故カリル・イスラムさん。当時の裁判で、ニューヨーク市警察とFBIが、2人の無罪につながる重要な証拠を隠していたことが、マンハッタン地検の調査によって明らかになった。

2人を犯人とする物的証拠はなく、2人とも無罪を主張していた。もう一人、有罪となったムジャヒド・アブドゥル・ハリム元受刑者は、犯行を認めていたが、2人は関係ないと証言していた。

裁判では、3人ともに1966年に有罪となり、終身刑を宣告された。アジズさんは、1985年に釈放された。イスラムさんは、1987年に釈放され、2009年に74歳で他界した。