ビリージョエルの「ハートにファイア」に乗せて大家がアパートを放火

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ミネソタ州にある人口8万人ほどの都市ダルースで18日、大家がアパートに放火する事件があった。救急隊員が到着した際、ビリー・ジョエルの1989年の大ヒットソング「We Didn’t Start the Fire(邦題:ハートにファイア)」が大音量で流れていたという。

事件の翌日、捜査当局は物件の大家だったトラヴィス・リー・カールソン(37)を拘束。第一級の放火罪で起訴した。

地元メディアが裁判資料を元に伝えたところによると、火災の通報が入ったのは午前4時頃で、救急隊が駆けつけた際には、カールソン被告の住む2階の部屋から炎が吹き出していた。

この30分ほど前に、カールソン被告がヘルメットを被って窓を破壊する姿が、近隣住民によって目撃されていた。目撃者はまた、ガス缶を持ってトラックの下にいる姿や、家の出入りを繰り返す様子も見たとし、その後、2階から炎が上がっているのが見えたと証言している。

捜査官らは事件後、トラックのガソリンタンクに穴が空けられているのを発見した。近くにはドリルとガス缶のふたも転がっていた。さらに燃料促進剤が使用された形跡や、アパートの電気パネルから引き抜かれたとみられるワイヤーなども見つかった。

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事件の翌日に拘束されたカールソン被告は、腕と足に火傷を追っていた。アパートには3人の住人と猫が一匹住んでいたが、いずれも火災による怪我はなかった。

なお「We Didn’t Start the Fire」は1989年に発表され、Billboard Hot 100で1位を獲得した。ビリー・ジョエルは歌詞の中で、自分の生まれた1949年以降の米国の政治やポップカルチャー、国際社会で起きたイベントを次々と挙げ、サビで「火をつけたのは僕達じゃない。この世ができた時からずっと燃えていたんだ」と歌い上げる。もちろん火災を歌ったものではなく、世界の混乱や問題が代々続く様を描いたもので、ジョエル自身は後に、ローリングストーンに、ショーン・レノンが「何も怒らない」50年代に生まれたかったと発言したことが、曲を書くきっかけになったと語っている。