米国の大学で、外国語を学ぶ学生が減少しているという。
Modern Language Association(MLA)が実施した調査によると、2021年の英語以外の言語授業の登録者数は2016年に比べて16.6%減少し、調査の開始以来最大の減少幅を記録した。
MLAのエグゼクティブ・ディレクター、ポーラ・クレブス氏は「語学学習の価値を下げてはならない。世界はますます相互につながり、英語以外の言語の知識の必要性はさらに重要になっている」と警鐘を鳴らしている。
報告によると、2021年の英語以外の授業の全体の登録者数は、約12万人となり、1998年の水準に低下した。外国語の履修者数はリーマンショック後の2009年がピークで、約17万人だった。
2年制大学の落ち込みが激しく、4年制の減少幅が14.7%であるのに対して2年制では24.2%減少した。
減少要因の一部は、学生総数の減少(-8%)に関連する可能性があるが、AXIOSは非STEM分野のプログラムの削減による影響が指摘している。なお、今回MLAに対して報告のあったプログラム数は前回から961(-8.2%)減少している。
上位15言語で最も登録者を失ったのはドイツ語で、33.6%減少した。次いで現代ヘブライ語(-26%)、アラビア語(27.4%)、フランス語(-23.1%)、ラテン語(-21.5%)と続いた。
一方、履修者が増加した上位3言語は、韓国語(+38.3%)、聖書ヘブライ語(+9.1%)、アメリカ手話(+0.8%)となった。
日本語は-4.6%と減少したものの、登録者数ではドイツ語を抜いて4位になった。その他の順位の変動では、中国語がイタリア語に代わり6位に、韓国語がロシア語に代って10位に上昇した。
言語 | 登録者数 | 増減率(2016-2021) |
スペイン語 | 584,453 | –18.0% |
フランス語 | 135,088 | –23.1% |
アメリカ手話 | 107,899 | +0.8% |
日本語 | 65,661 | –4.6% |
ドイツ語 | 53,543 | –33.6% |
中国語/マンダリン | 46,492 | –14.3% |
イタリア語 | 45,182 | –20.4% |
アラビア語 | 22,918 | –27.4% |
ラテン語 | 19,472 | –21.5% |
韓国語 | 19,270 | +38.3% |