未解決連続殺人「ドゥードゥラー事件」 半世紀ぶり6人目の犠牲者特定

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1970年代にベイエリアの同性愛者コミュニティーを震撼させた「ドゥードゥラー」連続殺人事件。最初の犠牲者の遺体発見から48年目を迎えた27日、サンフランシスコ警察は、新たな犠牲者の名前を公表した。

6人目の犠牲者とされたのは、弁護士だったウォーレン・アンドリュースさん(当時52歳)。1975年4月27日に市西端のビーチ近くで、暴行され意識不明の状態で発見された。この数週間後、意識を回復することなく他界した。他の5人と同様、白人で同性愛者だった。

サンフランシスコ・クロニクルによると、最初の犠牲者、ジェラルド・カヴァナーさん(50)の遺体が発見されたのは1974年1月。発見場所はオーシャンビーチで、前後17ヶ所を刺されていたことから、激しい怒りが動機と考えられた。

犯人は、カヴァナーさんおよび他の4人の犠牲者とゲイバーで出会った。目撃者の証言から、犯人は似顔絵を描いて犠牲者らに接近し、お世辞を述べるなどしてセックスに誘い出した上で、殺害したことが判明した。犯行の手口から、犯人を「ドゥードゥラー(落書きする人)」と呼ぶようになった。

当時はソドミー法が有効で(カリフォルニア州でが廃止されたのは1975年)、同性愛者たちは市内十数ヶ所のゲイバーに出会いを求めて集まり、ビーチや公園が性行為の場所に使用された。ドゥードゥラーの犠牲者らも、これらの場所で殺害された。

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1975年夏、捜査当局に、ドゥードゥラーの被害に遭ったとする3人の生存者の情報が舞い込んだ。このうちの1人の協力で、容疑者の似顔絵が作成された。この生存者は「外交官」とだけ明かされている。の容疑者の特徴は、19歳から25歳の黒人で、身長180センチから182センチ程度、痩せ型とされた。

似顔絵の公開後、犯人と思しき人物を診察したという精神科医から有望な情報が寄せられたが、捜査当局は、この人物への容疑を固めることができなかった。

今回、新たに犠牲者とされたアンドリュースさんは岩や枝で暴行されていた。他の犠牲者の殺害方法が刃物であった点と大きく異なるが、発見場所が、他の殺害現場からほど近く、同性愛者たちによく使用される場所であったことや、異常な残忍性などから同一犯の可能性が再浮上したという。

screenshot from San Francisco Police Department Crime Bulletin

サンフランシスコ警察は、犯人特定につながる有力な情報への報奨金をこれまでの2倍の20万ドルに引き上げると発表。40年の経過を加味した似顔絵を公開するなどして、市民に情報提供を呼びかけている。