来店客が万引き犯に発砲、殺人容疑で逮捕

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テキサス州ダラスの雑貨店で、万引きを止めに入った従業員らが暴行される場面に遭遇した客が、相手の男性を射殺。殺人容疑で逮捕された。

事件が起きたのは先月29日午後7時半ごろ。FOXニュースが警察の宣誓供述書をもとに伝えたところでは、雑貨チェーン店「ファミリーダラー」に入店したケビン・ジャクソン被告(47)は、店内で男性が女性店員らに暴行を加えているのを目撃。携帯していた拳銃を引き抜き、店員に離れるように指示した上で、男性に向けて発砲した。男性は店をよろめきながら出た後、倒れ、死亡した。

死亡した男性はフィリップ・ベッツ氏(26)。女性従業員の話では、万引きの常習者だった。この日、ベッツ氏に盗んだ品物を置いて店を去るよう注意したが、そのまま店を出ようとしたため、バックパックを取り上げた。ベッツ氏は一旦店の外に出たが、引き返して、拳で複数回殴るなどの暴行を始めた。この時、他の女性従業員も加わり、ベッツ氏にスプレーをかけたという。

ジャクソン被告は事件後、現場で警察の到着を待ち、警察署に同行することに同意。調べに対して、女性従業員らの安全が心配だったと話し、足を狙って撃ったと供述した。なお銃は合法的に携帯していたものだった。

死亡したベッツ氏は、盗品を持っていたことが確認されたが、武器は所持していなかった。

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今後は、ジャクソン被告の発砲のタイミングや銃使用の正当性が焦点になるとみられる。

監視カメラには、銃撃の直前、ドアに向かって走るベッツ氏が、女性従業員らから攻撃される様子が映っているといい、ダラス警察は、ジャクソン被告は発砲時、「殺傷能力のある武器を使って対峙する差し迫った危険にはなかった」と見解を示している。

一方、元検察官で、現在は刑事事件が専門のロバート・ロジャース弁護士は、FOXニュースの取材に、発砲は合法だった可能性があると主張。「見たところでは、彼(ジャクソン被告)は、自身の用事で店を訪れ、警戒を要する出来事に遭遇した。その時、本当に必要だと感じた行動に出た」と述べた上で、撃たれたベッツ氏の行為は「宣誓供述書の事実を読む限り、窃盗を完遂させるために力を行使した強盗であることは明らか」と加えた。ただし「正当防衛が適用されるか、適用されずに審理にかけるべきとするかは、大陪審次第だ」と語った。実際、ダラス警察は最初、事件を強盗事件として扱っていたという。

ジャクソン被告は現在ダラス郡刑務所に収容されており、現時点で保釈の予定はないという。