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米ラッパー ビズ・マーキーさん死去

1980年代後半に大ヒットした曲「ジャスト・ア・フレンド」(Just a Friend)で知られる米ラッパー、ビズ・マーキー(Biz Markie)さんが死去した。57歳だった。16日、マネージャーが明らかにした。

死因は公表されていないが、マーキーさんは40代後半より2型糖尿病を患っていた。1年以上闘病生活を送っており、「糖尿病が原因の合併症」で亡くなったとTMZは報じている。

ヒップホップのパイオニアで、「ヒップホップのクラウン・プリンス」(Clown Prince of Hip-Hop)の愛称を持つマーキーさん(本名:マーセル・ホール)は1964年4月8日、ハーレムで生まれた。

1985年から地元のクラブでラッパーとしてのキャリアをスタート。1998年にコールド・チリン・レコードから「Goin’ Off」を発売し、デビューを果たした。

翌年リリースしたアルバム「The Biz Never Sleeps」がゴールドディスクとなり、その中のシングル「Just a Friend」は、ビルボードのホット・ラップ・シングルス部門で5位、全ジャンルのHot 100で9位を獲得するプラチナヒットとなった。

▼R&Bシンガー、フレディ・スコット(Freddie Scott)が歌う「(You)Got What I Need」(1968)のメロディに乗せた軽快なラップソング「Just a Friend」。
CNNは、マーキーさんの遊び心にとんだ不器用なペルソナは、1980年代後半のハードコアなラップと対極をなし、人気を博したと評している。

サンプリングの使用を巡り訴訟

1991年に発売した3枚目のアルバム「I Need a Haircut」を発売後、シンガーソングライターのギルバート・オサリバン(Gilbert O’Sullivan)氏のヒット曲「Alone Again (Naturally)」(1972)を許可なくサンプリングで使用したとして、著作権侵害で訴えられた。

マンハッタン連邦地方裁判所は、原告側の主張を認め、マーキーさんとレコード会社に対し、25万ドルの損賠賠償の支払いとアルバムの今後の流通を禁じる命令を下した
ニューヨークタイムズによると、この訴訟以降、事前に使用許可を求める「サンプリング・クリアランス」の市場が確立されるなど重要な判決となった。

1993年に、訴訟を想起させるアルバム「All Samples Cleared!」を発売。2003年にリリースした「Weekend Warrior」(2003)は最後のアルバムとなった。

音楽活動のほか、映画「メン・イン・ブラックII」やパペット番組「クランク・ヤンカーズ」などにも出演している。

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