トランプ政権末期にロシア捜査関連資料が紛失

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FBIの捜査「クロスファイア・ハリケーン」に関連する資料の入ったバインダーが紛失し、当局者らが強い懸念を抱いているという。

クロスファイア・ハリケーンは、2016年大統領選のロシアの介入およびトランプ陣営とのつながりに関する捜査で、2016年7月から翌年5月にかけて実施され、後にロバート・モラー特別検察官率いるロシア捜査へと発展した。

ニューヨークタイムズが関係者の話として伝えたところによると、紛失中とされるのは、トランプ政権当局者らによって収集された同捜査の起源と捜査初期に関連する資料の「雑多な組み合わせ」だという。

資料にはトランプ陣営のアドバイザーを盗聴するためのFISA令状の申請や、捜査チームの一員だったピーター・ストロク氏と不倫関係にあったとされるFBI弁護士リサ・ペイジ氏のテキストメッセージのコピーなども含まれている。

情報公開法に基づき、編集を加えたものが部分的にFBIのウェブサイトで公開されているが、バインダーに収まった生の資料は、秘密の情報ソースや方法といった機密の詳細な情報が含まれるという。

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CNNによると、バインダーは25cmの厚みがあり、CIAによって保管されていたが、機密を解除しようとトランプ前大統領の要望によって、退任する最後の数週間の間にホワイトハウスに持ち込まれた。

なおタイムズは、ホワイトハウスでコピーが何部作成されたか不明で、政府がこのうちの1つがないことをどのように知ったのか明らかではないと指摘している。

FBIは昨年、トランプ氏のフロリダの住宅兼リゾート施設マールアラーゴの家宅捜索し、ホワイトハウスから持ち出した機密資料を押収したが、クロスファイア・ハリケーンに関する資料は一つも見つからなかったという。

ロシア捜査の不当性を長らく主張してきたトランプ氏は、退任後もバインダーの内容に執着しており、公開を望んでいるという。

2021年4月に行われた出版物に関連するインタビューでは、自分が所持しているかどうかに言及しなかったものの、首席補佐官を務めたマーク・メドウズ氏が持っていると答えたことがあった。

またCNNによると、メドウズ氏の筆頭補佐官を務めたカシディー・ハチンソン氏は、1月6日委員会の証言でメドウズ氏の自宅にある可能性を示したほか、自著の中で、政権最後の晩にメドウズ氏が無修正版のバインダーを小脇に抱えているのを目撃したと明かしている。

一方、メドウズ氏の代理人は、タイムズの取材に「いついかなる時もコピーを持ち帰ったことはない」と疑惑を否定している。