アレサ・フランクリン葬儀 スティービー・ワンダーほか、著名人が追悼

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Aretha Franklin
Aretha Franklin performs in concert at Radio City Music Hall on February 18, 2012, in New York.©JStone / Shutterstock.com

8月31日、デトロイトにあるグレーター・グレース・テンプル(Greater Grace Temple)で、16日にすい臓がんのため他界したアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)さんの葬儀が執り行われた。

葬儀には親族や友人に加え、数々の著名人、約4,000名が参列した。スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)、チャカ・カーン(Chaka Khan)、ジェニファー・ハドソン(Jennifer Hudson)、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)らが歌を捧げたほか、ビル・クリントン元大統領、アル・シャープトン(Al Sharpton)氏、タイラー・ペリー(Tyler Perry,)氏などが登壇し、弔辞を述べた。午後3時に終了を予定していた葬儀は、6時過ぎまで大幅に時間を延長。8時間以上に渡って行われた。多くの人々が、ジャンルを超えて愛された不世出のソウルシンガーとの別れを惜しんだ。
アレサ・フランクリンさんの葬儀 オリジナルスケジュール)

アリアナ・グランデ

アリアナ・グランデは1967年のアレサ・フランクリンの代表曲「ナチュラル・ウーマン (You Make Me Feel Like) A Natural Woman」を熱唱。歌い終えたグランデに謝辞を述べた司教が、実は彼女の活躍を知らず、名前を初めて見たときにタコベルの新しいメニューかと思ったとジョークを述べ、会場が湧く場面もあった。

黒いミニドレスで登壇する姿に、黒人の教会で着用する衣装として不適切だと批判の声も寄せられた。
また、壇上に呼び寄せた司教が、アリアナ・グランデの胸に触ったのではないかという疑惑も浮上。ソーシャルメディアで大きな噂となった。

チャカ・カーン

チャカ・カーンはゴスペルソング「Going Up Yonder」を捧げた。大勢のコーラスをバックに9分近くにおよぶパフォーマンスで、会場を沸かせた。

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ビル・クリントン元大統領

ビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領は、ヒラリー氏とともに夫婦で出席した。2017年のエルトン・ジョンのエイズ基金25周年柄パーティーで交わした会話や、フランクリンさんのパフォーマンスが45分にもおよんだ話を披露。また「私たちは大統領やファーストレディ、上院議員、国務長官である前に、アレサのファンから始まったんです」と長年のファンであることを明かした。さらに、棺が閉じられる前に到着し、本人を拝見できて嬉しかった、と語った。フランクリンさんは、この日、ローズゴールドカラーのドレスにクリスチャン・ルブタンのヒールを着用し、ゴールドプレートメタルの棺に納められたという。

バラク・オバマ全大統領とジョージ・W・ブッシュ元大統領は、翌日にワシントンDCで行われるジョン・マケイン氏の葬儀に参列するため共に欠席したが、メッセージが読み上げられた。

アル・シャープトン牧師

人権活動家で黒人運動で指導的な役割を果たすアル・シャープトン牧師も参列した。シャープトン牧師は、以前に「フランクリン氏の芸術性は、政治と結び付いている。公民権の活動家で、自由を求める戦士だった。」と活動家としての功績を称えている。トランプ大統領の発言にも言及し、トランプ氏がフランクリンさんの訃報に際し「彼女は私のために、多くの場面で仕事をしてくれた」と述べたことを取り上げ、「彼女は私たちのために仕事をしたのだ」と語った。シャープトン牧師は、オバマ前大統領からの手紙を読み上げた。オバマ氏は「アレサさんの作品には、アメリカの最も素晴らしい話がこめられている。」とメッセージで述べた。

ジェニファー・ハドソン

ジェニファー・ハドソンは、「アメージング・グレース」を捧げた。アレサ・フランクリンの代表的アルバム「Amazing Grace(1972)」のタイトル曲でもあるゴスペルの名曲をソウルフルに歌い上げた。

スティービー・ワンダー

6時過ぎに登壇したスティービー・ワンダーは、ハーモニカで賛美歌「主の祈り(The Lord’s Prayer)」を演奏。スピーチでは「我々は”愛”を再び偉大なものにしなければならない。なぜなら、黒人の命に関わることであり、生きとし生けるものすべてに関わることであるから。」と語った。また、15歳の時に書いた曲「Until You Come Back To Me(君が帰ってくるまで)」をアレサフランクリンがカバーすることは想像もできなかったことや、曲をともに制作する話をしていたことなど、思い出を語った。その後、キーボードに座り、アルバム「Songs in the Key of Life(キー・オブ・ライフ、1976)」の収録曲「As(永遠の誓い)」を演奏した。

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