火曜日, 9月 8, 2026
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キャシー・ウッドのARK ロケット・ラボとブロックを押し目買い、AMD・パランティア・テンパスAIは売却——今週の売買動向 

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rocket, semiconductor and stock chart
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キャシー・ウッド率いるARK Investの今週の動向では、ロケット・ラボ(RKLB)とブロック(XYZ)を大きく買い越す一方、AMD・パランティア(PLTR)・テンパスAI(TEM)の売却が際立った。宇宙インフラと決済プラットフォーマーの「成長は持続するが短期材料で売り込まれた銘柄」への押し目買いと、AI・半導体・医療テックの一部利益確定・リスク整理が並行して進んだ格好だ。

ロケット・ラボ(RKLB)——52週高値から57%安、「宇宙経済のコア銘柄」への押し目買い

ARKK(620,905株)・ARKQ(60,164株)・ARKX(24,033株)の3ファンド合計で705,102株を買い越し、今週最大の買い越しとなった。ARKK内ウェイトは週初0.39%から週末0.98%まで上昇している。

株価の動き:RKLB株は5月の52週高値(151ドル)から57%下落し、8/31時点で64ドル前後まで売り込まれた。1ヶ月間でも14%程度下げている。

決算と事業の要点:8月10日発表の第2四半期売上高は前年比62%増の2億3,407万ドル、受注残高は23.6億ドルに積み上がっている。衛星インターネットプロバイダーのイリジウム・コミュニケーションズを約80億ドルで買収する手続きを進めており、SpaceXと直接競合するフルスタックの宇宙サービス展開が期待される。

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Neutronと需要の裏付け:焦点はSpaceXのファルコン9に対抗する中型ロケット「Neutron」の初打ち上げだ。当初2024年に初打ち上げを行う予定だったが、その後幾度となく延期され、現在は2026年第4四半期の打ち上げが予定されている(2027年初頭までずれ込む可能性も報じられている)。商業分野や米宇宙軍向け衛星プラットフォーム打ち上げなど、複数の打ち上げ契約をすでに獲得しており、CEOのPeter Beck氏は初回打ち上げ成功後18〜24ヶ月でキャッシュフローが黒字化するとの見通しを示している。

バリュエーションとリスク:ただし株価売上高倍率(PSR)は48倍とS&P500平均(3.8倍)を大きく上回っており、割高感への警戒も指摘されている。加えて、SpaceXがFCCにIridium取引に関連する苦情を提出したことで、規制面での不透明感が株価の重しになっているとの見方もある。

ARKの買いは、こうした「中長期の需要は固いが、短期の規制・バリュエーション懸念で売られている」状況を、押し目買いのチャンスと捉えた動きと読める。

ブロック(XYZ)——好決算も成長鈍化懸念で反落、ARKは「行き過ぎた売り」を拾う

ARKは8/31の1営業日で、ARKF・ARKK・ARKWの3ファンド同時にブロックを買い増した(合計456,059株)。ARKFでは週初6.30%から週末7.83%へとポートフォリオ内ウェイトが+1.53ptと、今週確認された中で最大の上昇幅を記録している。

決算サマリー:ブロックは8月の第2四半期決算で、売上高66.18億ドル(市場予想64.85億ドル)、調整後EPS1.02ドル(予想0.87ドル)と、いずれも予想を上回った。Cash Appの粗利益は前年比25%増、営業利益率(調整後)も過去最高の27%に達した。

株価の反応:ところが株価は決算発表直後に一時88ドルまで上昇した後、その日のうちに下落に転じ、84.20ドルで引けた。通期ガイダンスは増額されたものの、四半期ごとの粗利益成長率が第2四半期の25%から第3四半期は18%、第4四半期は10%半ばへと減速する見通しが示されたためだ。市場は「好決算」よりも「成長鈍化の兆し」を材料視した格好だ。

バリュエーションとARKの視点:株価は会社ガイダンスベースで約20〜21倍の2026年予想EPS倍率で推移しており、成長率が21%前後を維持できるなら「割安」、ガイダンス通りmid-teensまで鈍化するなら「相応」という評価の分かれ目にある。ARKの買いは、決算後の急落を「行き過ぎた反応」と見て入った可能性がある。

AMD——年初来115%上昇の「半導体勝ち組」から利益確定

ARKF・ARKQ・ARKW・ARKXの4ファンドで売却(合計17,633株)。規模自体は今週の売買の中では小さいが、複数ファンドで足並みが揃った。

株価と決算:AMD株は2026年に入りここまで+115%と、半導体セクターでも際立った上昇率を記録している。第2四半期売上高は115.4億ドル(前年比+50.1%)、EPSも予想超過と、データセンター向けAIチップ「Instinct MI355X」の需要を背景に業績は極めて好調だった。アナリスト予想の平均目標株価はさらに41%の上値余地を示唆しており、ファンダメンタルズに対する弱気材料は乏しい。

バリュエーションとARKの売り:一方で株価収益率(PER)は118倍まで買われており、米国債利回りの上昇も向かい風となっている。ある市場分析は、ARKが8月下旬にAMD株を9,200万ドル超売却したことを、「短期的なモメンタムに疑問符がつく」材料として明示的に取り上げている。ARKの売りは業績への懸念というより、大幅高後の利益確定・ポジション調整と見るのが妥当だろう。

パランティア(PLTR)——絶好調決算と極端な割高感のせめぎ合い

ARKF・ARKK・ARKWの3ファンドが8/31の同日に売却(合計139,456株)。ARKFではウェイトが4.80%から4.17%へ-0.63pt低下した。

決算と成長:パランティアの第2四半期決算は売上高が前年比+93%、米国商業部門は+149%という驚異的な成長を記録し、「Rule of 40(売上成長率+営業利益率)」指標は155%に達した。米連邦政府向け契約や「ソブリンAI」需要の拡大が背景にある。

バリュエーションと希薄化:しかしPERは249倍、フォワードPERでも112倍という極端な水準まで買われており、第2四半期だけで2億6,500万ドルの株式報酬(希薄化要因)が計上されている点も懸念材料だ。9/2には利益確定・ポジション調整の売りが重なり、株価が3.13%下落する場面もあった。ソフトウェア/ITサービスセクター全体が上昇する中で、パランティアだけが逆行安となっており、市場全体でも「行き過ぎた決算後ラリー」への警戒が強まっていたタイミングだった。ARKの売りも、この流れに沿ったバリュエーション調整と読める。

テンパス AI(TEM)——パーソナリス買収の不確実性と医療テック・エクスポージャーの整理

ARKK 単独で8/31・9/1・9/4 の3回に分けて合計439,914 株を売却。今週確認された単一ファンドの売却としては最大規模となった。

パーソナリス(PSNL)の買収:見逃せないのは、同じ週にARKG がパーソナリス(PSNL)を 175,841 株売却している点だ。こちらも8/31の1営業日で、ARKGにとって今週最大の売りとなった。 テンパスは7月20日、パーソナリスを約15 億ドルで買収すると発表。提示価格は1株16.25ドルで、取引は基本は100%株式対価となる。テンパスには対価の最大50% を現金で支払う選択権があり、株式部分の交換比率はテンパス株価に応じて変動する仕組みだ。取引完了は2026年第4四半期〜2027年初頭を想定し、Personalis株主承認および規制当局の承認などの条件が残っている。

買収価格を上回るPSNL株:この案件で注目されるのが、パーソナリス株の現在の市場価格だ。PSNLは現在17.20ドル前後で取引されており、買収提示額 を上回っている。 これには市場が(1)買収成立への高い確信、(2)より良い条件や競合提案への期待、(3)取引完了までのテンパス株価値上がりのいずれか(あるいは複合)を織り込んでいる可能性がある。実際、Personalisの取締役会は買収交渉の過程で17ドル水準の提案を受けており、最終的にはTempusの 16.25ドル案を、取引成立までの確実性などを含めたリスク調整後の価値で上回ると判断した経緯がある。

ARKのテンパスAIとパーソナリスの双方の売却は、買収条件や競合提案をめぐる不確実性を踏まえたポジション整理と読むことができる。加えて、MRD検査の収益性などTEM本体のファンダメンタルズにも課題が残るなか、医療テック分野で膨らんだエクスポージャーを縮小した可能性がある。