火曜日, 6月 9, 2026

タッカー待望論、バンスは微妙── 右派論客たちのポスト・トランプ会議

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©MashupReporter

右派インフルエンサー群のなかで最近伸びが際立つショーン・ライアンは、6月2日配信回でストリーマー仲間のメーガン・ケリーと再会し、3時間を超える対談を行った。

番組のなかで繰り返された話題が、次のリーダー候補は誰か、という問いだ。メーガン・ケリーはタッカー・カールソンの名を挙げた。

「私はタッカーは買収されるような人ではないと思う。彼が大統領になるなら支持できる。彼は立候補するつもりはないようだが、私は全面的に支持する」

背景には、トランプが腐敗し、既存勢力に飲み込まれ、公約が破られたとの思いがある。

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「絶対に曲げないイデオロギー上の原則を持ち、しかも異なる思惑を持たない資金力ある支持者を集められる人物を見つけなければならない」とケリーは語った。「トランプのように、ミリアム・アデルソンから2億ドルも受け取った人の”もう戦争は始めない、特に中東での戦争は、イランとの戦争は絶対にしない”という言葉を、私たちはあまりにも鵜呑みにしすぎた」とも続けた。

アデルソンは、カジノ王の故シェルドン・アデルソンの妻で、トランプの最大級の献金者の一人。米国大使館のエルサレム移転や、ゴラン高原に対するイスラエルの主権承認など、トランプ政権の親イスラエル政策を強く支持してきた人物だ。

トランプの支持基盤についてケリーはこう主張した。「トランプの問題は、MAGA運動をマーク・レビン(Foxニュース司会)に賛同する者たちと定義づけてしまったことだ」。「イスラエルの利害を最優先するネオコン」に反対する者たちを排除するMAGA運動に「未来はない」と言い切った。

JDバンスについては、二人の評価が分かれた。イラン戦をめぐり副大統領として複雑な立場に置かれていると認めつつ、「私は彼がとても好きだ」と述べるケリーに対し、ライアンは「彼は何も言わないじゃないか」と真っ向否定した。「トランプは国民に誠実ではない。政権のいかなるポジションであろうと、まず第一に国民に義務を負っている。この国で何が起きているのか、非難の声を上げる必要がある」と語った。

代わりにライアンが好意を示したのは、先月の下院予備選でトランプが用意した対抗馬に敗れたトーマス・マッシー議員だ。「トーマス・マッシーに投票する?」とケリーから問われると、「そうだね」と即答した。ケリーはランド・ポール上院議員にも触れ、「簡単に腐敗しない良い例だ」とその資質を称えた。トランプの腐敗は行き着くところまで行けば良いとも述べ、「ついには焼け落ち、その灰の山から立ち上がるのは誠実なフェニックスだけだ」と期待を語った。

この対談に早速反応したのが、右派インフルエンサーらが相次いでトランプから距離を置くなか、孤軍奮闘気味の親イスラエル派論客ベン・シャピーロだ。

彼は自身の配信番組で、二人を「左傾右派(原語:Woke Right。左派的感性に染まった右派という意味でシャピーロが侮蔑的に用いる造語)」「クリック稼ぎの馬蹄型右派(左右の極端が似通うという”馬蹄理論”になぞらえた批判)」「極左と見分けがつかない」と一蹴。「ほとんどの予備選は、そうした勢力が実態のない存在であることを証明している」とトランプの影響力の底堅さを強調した。対談中にケリーがプログレッシブ派の論客アナ・カスペリアンに好意を示したこと、長年共和党員でさえなかったことを取り上げ、ゆくゆくは左派とともに民主党に鞍替えするだろうと予言した。

とはいえ、少なくともネット配信上の数字では、シャピーロは低迷気味だ。ケリー、カールソン、ライアンらの背中を追う状況が続いている。

チャンネル 登録者数 前週比 週間視聴数(推計)
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ショーン・ライアン 622万人 +1万人 2,009万回 ← 今週最大
タッカー・カールソン 564万人 +1万人 1,312万回
ジョー・ローガン 2,090万人 ±0 936万回
メーガン・ケリー 414万人 ±0 883万回
マット・ウォルシュ 343万人 +1万人 792万回
ベン・シャピーロ 703万人 ±0 518万回
キャンディス・オーウェンズ 600万人 ±0 219万回
ティムキャスト 147万人 ±0 60万回
ティム・ディロン 119万人 ±0 105万回
※6/8測定。週間視聴数は総視聴数の前週差分で算出

なお、ケリー&ライアン対談では、マルコ・ルビオ国務長官への言及はなかった。予測市場や2028年共和党候補に関する世論調査でバンスに迫る人気を維持するルビオだが、ワシントン既存勢力との近さが反エスタブリッシュメント志向の論客たちから警戒される所以だ。タッカー・カールソンは先月のニューヨーク・タイムズのインタビューで、ルビオを、感じはいいが、「ドナークラス」と「ネオコン」が選ぶ政治家と位置付けている。

ルビオのような既存保守に戻るのか、それともマッシーやカールソンが象徴する反ワシントン路線へ進むのか。右派言論空間では、すでに2年半先の大統領選を見据えた「トランプ後」の品定めが熱を帯びている。