ボルトン暴露本、ホワイトハウスが機密情報の削除要求

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ジョン・ボルトン(John Bolton)元大統領補佐官(国家安全保障担当)が近く出版を予定する回想録に関し、ホワイトハウスが、機密情報が含まれているとして削除をしなければ出版を許可しない意向を伝えていたことがわかった。

国家安全保障会議のエレン・ナイト(Ellen Knight)氏は1月23日にボルトン氏の代理人のチャールズ・クーパー(Charles J. Cooper)氏に宛てた書簡で、ボルトン氏が提出した原稿には「機密情報が多量に含まれている」と予備審査の状況を伝えた。この中には「国家安全保障に重大な損害」を与えかねないトップシープレットレベルの情報があると指摘し、連邦法と機密保持契約の下、「この機密情報の削除せずに原稿を出版または公開してはならない」と述べた。

一方、審査は完了していないとしつつ、原稿修正のための次の段階について近く詳細を案内すると述べている。

ニューヨーク・タイムズは26日、ボルトン氏の新刊本「The Room Where It Happened」には、9月の退任までの数カ月にわたる、ウクライナ外交の展開が詳述されているほか、トランプ氏から、ウクライナ政府がバイデン親子に対する捜査に協力するまで、3億9,100万ドルの軍事支援の保留を継続する意向を聞いたと記されていると報じた。

報道を受け、民主党のチャック・シューマー院内総務は、「大統領に対する訴追の核心」だと述べ、弾劾訴追の「権力乱用」を認めているものだと主張。「上院の共和党議員が、この証人を召喚し、資料を要求する投票をしないなんてことがあろうか。」と、ボルトン氏の召喚は不可欠との姿勢をアピールした。

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29日の質疑でも、シューマー院内議員は、ボルトン氏の召喚や関係証拠なしに公正な裁判が可能かと質問。これに対し、弾劾マネージャーのアダム・シフ下院議員は「端的にいうと、ノーだ。」と回答し、「最も深刻で悪質な大統領の不正行為の核心に迫る」 ボルトン氏の証言なしに、公正な裁判はありえないと主張した。

ボルトン氏の代理人のクーパー氏は、ホワイトハウスの書簡に対する返答を公開した。この中でクーパー氏は、「(原稿の)どの情報も合理的に機密分類されるとは考えていない」と反論。ボルトン氏が来週早々にも召喚される可能性があるとし、「できるだけ迅速に該当する章の審査の結果を受けとることが不可欠だ」と早急な対応を求めた。