トランプ氏「モップとバケツで十分」NYの13兆円の水害対策案を批判

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トランプ大統領は18日に投稿したツイートで、ニューヨーク港の外側に6マイルにわたる防波堤を建設する計画を「環境に優しくない馬鹿げたアイデア」と批判。モップとバケツで充分と揶揄した。

計画は、2012年に甚大な被害をもたらしたハリケーン「サンディ」規模の強力なストームからニューヨークを保護するため、米国陸軍工兵隊が複数のうちの一つの案として検討している。計画を巡る賛否の声を、ニューヨークタイムズが前日に報じていた。

トランプ氏は「まれにある嵐から守るために、2,000億ドルの護岸をニューヨークの周りに建設するのは、金のかかる、環境に優しくない馬鹿げた考えだ。いずれにせよ必要な時には、機能しないだろう。」と述べ、「そもそも見た目も酷いじゃないか。申し訳けないが、モップとバケツだけ準備すればいいだろう」と加えた。

工兵隊は同時に他の4案を検討しているが、同案については建設期間を25年と推計している。費用は1,190億ドルと推定しており、トランプ氏の2,000億ドルとはかけ離れている。実現のためには、ニューヨーク市とニューヨーク州、ニュージャージー州が費用の35%をカバーすることに合意しなければならない。さらに残りの65%は議会の承認が必要となる。

賛成派は、護岸が岸から数マイル離れて建設されることから、ウォーターフロントとマンハッタンを遮断せずに、住人と自由の女神などのランドマークを守ることができると主張。反対派は、高潮に対処するのみで、満潮時の洪水と豪雨流出に対応するようデザインされていないほか、海洋環境に悪影響を与えるなど、懸念を示している。

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トランプ氏のツイートに対し、ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は「モップとバケツか。我々はサンディで44人を失った。その時、ここに住んでいただろう」とツイート。気候に対する無理解は、国民にとって「危険なだけでなく、命どりだ」と批判した。