トランプ大統領 政府閉鎖の長期化を覚悟、非常事態宣言の可能性も

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トランプ大統領は4日、ホワイトハウスで開いた記者会見で、議会がメキシコ国境の壁建設費で合意できない場合、国家非常事態宣言を発令する可能性について言及した。

大統領は記者の質問に「我々はもちろん緊急事態を宣言することができる。まだやっていないが、発令することは可能だ。緊急事態宣言を発令すれば、すぐに壁を建設することが可能だ。」と回答。

一方で、「交渉で達成できるなら、そちらを取る。」と、議会の投票プロセスを優先する意向を語った。

この日、トランプ大統領は50億ドル規模の壁の建設費用について、民主党と共和党指導部と2日ぶりの協議を開催。会見は協議後に行われた。

会見では、党指導部との会談で、政府閉鎖を数ヶ月、または一年以上継続する可能性について語ったことも明らかにした。両党の指導部を招いた協議は、週末に継続して行われる。

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マイク・ペンス副大統領によると、週末の協議には、両党の指導部に加え、ニールセン国土安全保障長官とトランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問も参加する。

民主党が過半数を奪還した米議会下院では3日、政府再開に向けて、2月8日までの短期的な国土安全保障省に対する予算案と、その他の閉鎖中の省庁に対し、会計年度の終了する9月までの予算案を通過させた。しかし、共和党が過半数を握る上院のリーダー、ミッチ・マコーネル院内総務は2日の段階で、「上院では、議会を通過できず、大統領が署名しないであろう民主党の法案を検討しない。」と投票を行わない意向を明らかにしている。

下院議長の座に返り咲いた民主党のナンシー・ペロシ議員は、4日の協議を「長く、ときに大統領と論争になった」と語った。両陣営が継続協議に同意したとしつつ、政府が再開されなければ、こう着状態は打開できない、と交渉の条件として法案成立の必要性を語った。