トランプ氏の候補者失格、コロラドの判決を最高裁は支持する?専門家らの予想は

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コロラド州の最高裁は19日、4対3で、トランプ前大統領は議事堂襲撃事件への関与を理由に大統領職に就く資格を失い、3月5日の予備選の投票用紙に掲載できないと判決を下した。

裁判は、コロラド州の共和党の選挙人らが予備選でトランプ氏を投票用紙から除外するよう求めたもので、下級審は、トランプ氏はアメリカ合衆国修正憲法第14条3項が定める”反乱”に関与した明らかな証拠があるとしたが、第3項は大統領職に適応されないと結論づけていた。

一方、州最高裁は意見書で、下級審の判断は誤りだと指摘。第3項は「大統領職および大統領として宣誓を行った人物」が含まれるとし、トランプ氏は「公職に就く資格」を剥奪され、そのために「予備選の候補者として投票用紙に記載するのは、選挙法に基づく違法行為」になると判断を述べた。

修正第14条3項では、「連邦議会の議員、合衆国の公務員、州議会議員、州の執行部または司法部の官職」として憲法の支持を宣誓しておりながら、その後になって合衆国に対する暴動または反乱に加わり、敵に支援や便宜を与えた者は、「連邦議会の上院および下院の議員、大統領およ び副大統領の選挙人、文官、武官を問わず合衆国または各州の官職」に就くことはできないとしている。

同条項に基づいて、大統領選候補者が投票用紙への掲載が禁じられるのはトランプ氏が初めてとされる。

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判決はコロラド州務長官に予備選の投票用紙からトランプ氏の名を除外するよう指示するものだが、総選挙については言及していない。

トランプ氏の代理人は、すでに連邦最高裁に持ち込む意向を表明している。前代未聞のケースに、今後の展開をめぐって専門家らが様々な見解を述べている。

ロシア捜査への対応でホワイトハウスのリーガルチームに加わり、現在はトランプ氏に批判的なことで知られる弁護士のタイ・コブ氏は、最高裁はトランプ氏に有利な判決を下すとの予想を示した。

コブ氏は、真の争点は、トランプ氏が条文にある合衆国の公務員に該当するかだとした上で、ロバーツ首席判事は2010年に「人民は米国の公務員に投票しないと説明している」と指摘。公務員は憲法では一般的に任命職に言及したものと解釈されると続け、「この裁判はすぐに処理され、最高裁は9-0でトランプ氏に傾く」と語った。

ハーバード大学の法学教授アラン・ダーショビッツ氏は、憲法の授業ならDマイナスだと批判。修正第14条は「将来選出される人々を失格とするためにデザインされていない」としつつ、「憲法を見れば、修正第14条が実行できるのは議会だけで、州議会ではないのは明らか」と述べ、「草案を作成した議員は、進歩的な共和党議員で再建派だった。誰が大統領に立候補するのかを決めさせる権限をミシシッピやアラバマに与えると思うか。そんなことありえない」と、成立の経緯に触れた。コブ氏と同様に、法文は大統領に適用されないと加えた。

一方、元連邦判事のマイケル・ルティグ氏は、MSNBCのインタビューで、コロラド最高裁の判断は「見事だ」と称賛し、同法廷の司法見解は「どの点においても難攻不落で反論の余地がない」と主張した。連邦最高裁は、コロラドの判決を支持するべきで、「修正第14条3項に照らして、それ以外の判断を下すことはできない」と語った。

トランプ政権時代に司法長官を務めたウィリアム・バー氏はCNNに出演し、「ご存知の通り、私はドナルド・トランプの共和党指名に強く反対している」と前置きしつつ、「このケースは法的に誤りで、支持できない」と語った。

バー氏は「公職に就く権利を奪うには、2つの核となる争点についてデュー・プロセスが要求される」と主張。「一つ目は反乱があったかどうか。世の騒乱は暴動のレベルに高まったのか。第二は、個人の役割はなんだったのか。関与したのか、就任宣誓を破るようなことをしたのか」とした上で、「これらは複雑な問題」であるにもかかわらず「審問には陪審がおらず、又聞きの証言が多い1月6日委員会の記録に頼っており、反対尋問の権利がなかった」と指摘した。「根本的な問題は、デュー・プロセスの拒否だ」と語った。

また「法を非常に攻撃的なポジションに拡張して、トランプ氏をレースから追い出すのは、反生産的で、裏目に出る」とも指摘。「火が酸素を吸うのと同じように、彼は不平不満を糧にしており、それは最終的に彼を助けることになるだろう」と加えた。