スター集結の話題作「アムステルダム」が大コケ、150億円の赤字予想も

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「世界にひとつのプレイブック」や「アメリカン・ハッスル」で知られるデヴィッド・O・ラッセル監督の新作映画「アムステルダム」が7日、米国の3,000館で公開された。

ロバート・デ・ニーロやクリスチャン・ベール、マーゴット・ロビーなど豪華ハリウッドスターが出演しているが、オープニング週末の興行収入は、640万ドル(約9億5,000万円)と期待を下回った。

公開前、オープニング興収は1,000万ドルから2,000万ドルと予想されていた。ハリウッドレポーターは、最終的な損失は、8,000万ドルから1億ドルに達する可能性があると報じている。

ちなみに同作品の製作費は8,000万ドルで、マーケティングに7,000万〜8,000万ドルの巨額な予算が投じられたとも伝えられている。

作品は、1930年代のニューヨークが舞台。アメリカ人の裕福なビジネスマンが企てたフランクリン・D・ルーズベルト大統領へのクーデター計画「ビジネス・プロット」が元になっている。アムステルダムで出会った元兵士と看護師が、巨大な陰謀に巻き込まれていく物語。

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デ・ニーロらのほかに、テイラー・スウィフト、アニャ・テイラー=ジョイ、ゾーイ・サルダナ、アンドレア・ライズボロー、マイク・マイヤーズ、クリス・ロック、ラミ・マレックらがキャストに名を連ねる。

批評家からは辛辣なレビューが相次いだ。15日現在、Rotten Tomatoesの批評家スコアは33%となっている。

  • 「上映がすすみ、開放感を味わったり没頭したりするときに、疲れ果てたと思い始める映画」(ニューヨークマガジン)
  • 「驚くほどひどい、果てしなく退屈…」(シカゴサンタイムズ)
  • 「(撮影監督やプロダクションデザイン、衣装は素晴らしいが)見栄えのいいガラクタ」(アイリッシュタイムズ)
  • 「何ヵ月も包み隠されていた理由がいま分かった。目も当てられないからだ」(ニューヨークポスト)
  • 「過剰なキャストがストーリーの気を散らす。不必要に複雑でねじれた、混乱する物語がコブラのように絡まっている」(news.com.au)

ネガティブな批評の一方で、観客の評価は60%でそこそこだ。

パワハラ疑惑が影響?

ラッセル監督はこれまで、撮影現場でのパワハラ疑惑や、姪に対するセクハラなどが報じられている。

「スリー・キングス」では、主演のジョージ・クルーニーが監督に、スタッフへの言葉の暴力を止めるよう求めていたほか、「ハッカビーズ」の撮影中、リリー・トムリンに暴行をはたらいた疑惑も浮上している。「アメリカン・ハッスル」に出演したエイミー・アダムスはGQのインタビューで、監督からつらく当たられたと述べ、「本当に打ちのめされた」と語っていた。

またトランスジェンダーの姪から、ジムで胸を触ったと告発されたこともある(本人は触れたことは認めたものの、「彼が挑発的な態度をとったため」と主張。不起訴となった)。

これらの疑惑が作品の不人気につながった可能性について、デイリーメールは「一般的にはあまり知られていない」と指摘し、大コケの直接の原因ではないだろうと伝えている