ハーバード大学研究用の遺体を転売、男女7人を起訴

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ペンシルベニア州の中部地区連邦検察は14日、遺体の売買ネットワークに関与していた男女6人が連邦大陪審によって起訴されたことを明らかにした。

被告らは、ハーバード大学医学部に献体された遺体やアーカンソー州リトルロックにある霊安室の遺体の一部を盗難または売買したとされている。

検察の発表によると、2018年から2022年、ボストンのハーバード大学医学部の遺体安置所を管理していたセドリック・ロッジ被告(55)は、医学研究や教育のために提供された死体の臓器やその他の部位を盗み、ニューハンプシャーの自宅に運搬。妻デニス・ロッジ被告(63)とともに、自宅から携帯電話やSNSを使って、マサチューセッツ州在住のカトリーナ・マクリーン被告(44)とペンシルベニア州のジョシュア・テイラー被告(46)らに販売していた。

セドリック・ロッジ被告は、二人を遺体安置所に招き入れ、品定めをさせたこともあったという。

マクリーン被告とテイラー被告はさらに、ロッジ夫妻から入手した遺体の一部をペンシルベニア州のジェレミー・ポーリー被告などに転売し、利益を得ていた。

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今回改めて起訴されたポーリー被告は、昨年8月、オンラインで人体の一部を購入していたことが発覚。ペンシルベニア州カンバーランド郡の検察によって、死体損壊、盗品の受け取り、違法行為に伴う金銭的取引の罪で起訴されていた。購入目的について、人々に販売して金銭的利益を得るためだったと供述していた。

ポーリー被告の入手ルートは、アーカンソーにもあり、カンバーランド郡の検察は発表当時、アーカンソー州警察とFBIによる合同捜査の末、キャンディス・スコットという名の女が、州内の霊安室から遺体の一部を盗み出し、ペンシルベニアに輸送したことが判明したとしていた。さらにこれらの遺体は、アーカンソー大学に属するものであることもわかった。

スコット被告(36)は6人とは別に、今年4月にアーカンソー州東部地区検察によって盗品の州間輸送など12の罪で起訴された。5月に行われた罪状認否で無罪を主張している。

遺体安置所に務めていたスコット被告は、遺体の搬送や火葬、防腐処理を担当していた。アーカンソーの検察は、スコット被告は2021年10月頃、Facebookでポーリー被告に「完全無傷で防腐処理された脳を売っている人をご存知ないですか?」とメッセージを送るなどして接近し、その後9ヶ月間にわたって胎児、脳、心臓、肺、生殖器、皮膚の一部を売りつけたとしている。こうした取引を通じて、スコット被告は約1万ドルを稼いだという。

6人を起訴したペンシルベニアのジェラルド・カラム連邦検事は声明で「犯罪の中には、理解を超えるものがある」とした上で、「犠牲者の多くが、医療専門家の教育や科学の前進のために、進んで自らの遺骨を使用することを許可しており、言語道断だ」と厳しく非難した。

6人は、盗品の州間輸送の罪などで起訴され、有罪になると最大で15年の禁錮刑に処される可能性がある。