「プロ野球界の絶滅危惧種」米紙が日ハム新庄監督を特集

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奇抜なセルフプロデュースで話題が尽きない日本ハムファイターズの新庄剛志監督(50)。その新庄氏について米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは20日、「野球界随一の規格外な監督」とする特集記事を掲載した。

記事では冒頭、「かつて、最もエキセントリックな監督を1人選ぶのは困難だった。選択肢が多すぎたからだ。近年、はるか遠くに目を向けなければ1人の候補も探せない。日本まで行かなければならないかもしれない」と、新庄監督の希少性を強調。

昨年11月の日ハム監督就任会見で、新庄氏が「ワインレッドのスーツの下にド派手な襟高シャツを着て登場」し 、“監督”でなく“ビッグボス”と呼んでくれ、と語って強烈なインパクトを残したエピソードに言及し、「これは日本の野球界で前代未聞の規格外なチームブランディングの始まりに過ぎなかった」と記した。

↓「エキセントリックな監督はプロ野球界の絶滅危惧種だが、日本ハムファイターズのツヨシ・シンジョーにはそれを言ってはいけないよ」

「BIGBOSS」の文字が入ったユニホームを着る、ホバーバイクに乗って球場に舞い降りる、などの新庄流パフォーマンスを伝えたうえで、「俺を見ろといわんばかりの華やかさは、ストイックな監督が大半の現在のメジャーリーグ界ではとっくに時代遅れになった」と説明したほか、いま監督に求められるのは冷静さとデータ分析に基づいた判断力で、個性ではないとしつつ、「日本ハムファイターズは、新庄氏を優先した」と、日ハムの英断を強調した。

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さらに「これ見よがしな個性よりも勤勉さを重んじるスポーツ界にとって――引いてはこの国(日本)にとって――ビッグボスの行動は究極のカルチャーショックだ」と異端児ぶりを表現。そのうえで、お固く真面目な顔で腕組みをしている監督の一般的なイメージを今から僕が変えていく、と語った新庄氏本人のコメントに触れ、日本の野球界は自己流をあくまで貫く新庄氏のキャラクターに活路を見出した、とその影響力を評価した。

記事ではさらに、監督就任会見の最後、新庄氏が当初10年契約のオファーを「気が緩んでしまう」という理由で断っていたとも伝えた。契約期間は1年で、「(1年後は)クビになるかもしれないし、契約を更新するかもしれない」と話したことにも言及し、「ビッグボスは今すぐチームを救うか、全く手を出さないか、どちらかだ」と締めくくった。

記事の読者コメント欄では、10年契約を拒否したことについて「彼は明白に、どうハングリー精神を維持するか知っている人」と評価する声が上がった。また、阪神タイガース時代からの活躍を知る読者から「本当に多才で腕があって楽しませてくれる選手兼監督兼セレブだ」と絶賛する声もあった。

このほか「ホバーバイクでどうやってドアを通り抜けたの?」といったコメントや「”ハム戦士”に匹敵するニックネームはないね」と、チーム名そのものを特異と感じる読者もいたようだ。