北欧2カ国のNATO加盟 米上院は95-1で承認、唯一の反対議員は?

米連邦議会上院は3日、フィンランドとスウェーデンのNATO追加案について、95-1の圧倒的多数で承認を与えた。

ジョシュ・ホーリー議員(共和党 ミズーリー)が唯一反対し、ランド・ポール議員(共和党 ケンタッキー)は棄権票を投じた。

ホーリー議員は投票に先立つ演説で、NATOの拡大は、さらなる米国の兵力を長期にわたってヨーロッパに割くことを強いられることを意味するが、米国にとって最大の敵対的な国は中国だと説明。一方「真実は、われわれは現時点で、彼らを止められる立場にない」と、米国は中国の世界支配に対抗する準備ができていないと語った。

選択肢は、ヨーロッパにより多くの資源と人員、兵器を投じるか、または中国を抑止するのに必要なことをアジアでするかであり、両方はできないと主張。米国の軍力は2つの紛争を同時に処理する規模にはないとした。

フィンランドとスウェーデンがNATO拡大を望むのは、彼らの国家安全保障の利益にかなうからで、結構なことであると述べつつ、我々に問われなければならないのは、米国の利益になるのかということだと強調。「われわれの外交政策は、米国の安全、労働者の保護、雇用の保護、国家繁栄を確保すること」であり、議会には、リベラル世界秩序の構築や海外の国づくりをすることだと勘違いしている議員がいるようだと語った。

トランプ前大統領の路線を継承するホーリー議員の反対について、党内で2024年大統領選の出馬が有力視されている議員らからは、辛口の意見が飛んだ。

トム・コットン議員(アーカンソー)は「モンテネグロと北マケドニアの加盟を支持した議員が、スウェーデンとフィンランドのメンバーシップを拒否するのは実に奇妙」と指摘。「そのような奇妙な投票の弁護を聞きたいものだ」と語った。

テッド・クルズ(テキサス)議員はポリティコのインタビューで「間違いだと思う」と批判。「世界から撤退して中国に勝つことはできない。同盟国と敵に対して同盟国と立ち向かうことで、中国を打ち負かすことができる」と語った。

共和党のトップ、ミッチ・マコーネル上院院内総務はこれに先立ち、北欧2カ国のNATO加盟は「国家安全保障にとって、超党派の全会一致の支持を得られるべき事案」だと説明。「言い訳の余地のない反対票を考えている議員には、幸運を願う」と皮肉を述べた。加えて「近代的な経済と相互に利用可能な有能な軍隊を保持するこれらの民主主義国家を受け入れることが、人類史上もっとも成功した軍事同盟を強化することであることに、疑問の余地はない」と語った。