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サンタが足りない!コロナで人材不足

パンデミックに起因するサプライチェーンの混乱などで、様々な品不足が叫ばれているが、米国ではこの時期の主役、サンタクロースが供給不足に陥っているという。

不足の背景には、コロナによる人数の減少に加え、急激な需要の増加に追いつかないといった事情があるようだ。

世界最大のプロのサンタ組織を謳う「International Brotherhood of Real Bearded Santas」の代表で、自らもテネシー州でサンタとして働くステファン・アーノルド氏は、Slateの取材に、約1,900人のサンタのうち、コロナで55人以上が死亡したと明かした。

アーノルドさんはメンバーについて、「一般的に太っていて、ほとんどが肥満」と説明。「多くが糖尿病を患っており、心臓病や肝臓病を抱える人々も多い」と、コロナが重症化しやすい問題を指摘した。

公式な数字はないが、サンタ業界のインサイダーは、コロナによるサンタの死者の割合は、一般よりも高いと推定しているという。

Facebookでサンタのコミュニティを運営するカルロ・クレム氏は、グループに投稿されたサンタ仲間の死亡記事を元に、2021年だけで330人が他界したと話した。これにはアマチュアや既にサンタを卒業した人々、コロナ以外で亡くなったサンタが含まれるが、クレム氏は「氷山の一角に過ぎない」と指摘。「330人は私たちが知っているだけで、もっと多い」と語った。

リスクを考慮して、今年はパフォーマンスを見送った人も多かったほか、全国的にサンタスクールの入学者が減少するなど、新規のなり手も少なかったしたようだ。

需要サイドでは、昨年の反動からか、コロナ前よりも大幅に増加したという。

先述のアーノルド氏によると、2019年のレベルより申し込みが20%ほど増加した。同氏はまた、仕事量を抑えようと、最初の1時間30分を150ドル、以降15分ごとに50ドルと、例年よりも単価を高く設定したが、それでも問い合わせの電話が止まらないほどだったと明かした。

サンタの派遣企業HireSantaの創設者、ミッチ・アレン氏はCNNに、サンタのリクエストはパンデミック前の2倍以上と語っている。

明るい兆しもある。アーノルド氏は、2020年末のメンバー数は、前年に比べて500人ほど減少したが、2021年に回復しはじめ、来年4月には以前のレベルに戻るだろうと予測。新たな参加者の中には、未経験者やリタイアしたばかりの若手のサンタも多いという。

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