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撮影スタッフが腕切断の危機 映画「Rust」でまたトラブル

俳優が実弾の入った銃を誤射し、スタッフが死亡する事件が起きた西部劇映画「Rust」。安全対策に疑問の声が上がっているが、これとは別に、セットで働いていたスタッフが怪我を負い、腕を失う危機に直面しているという。

先月21日、ニューメキシコ州サンタフェにある撮影現場で、俳優でプロデューサーのアレック・ボールドウィンがリハーサル中に放った銃に、誤って実弾が込められていた。銃弾は、撮影監督のハリーナ・ハッチンス氏の胸部と監督のジョエル・ソーザ氏の肩にあたった。ハッチンス氏は搬送先の病院で死亡が確認された。

ボールドウィン氏は、銃を受け取る際、アシスタントディレクターから安全であることを意味する「コールドガン」だと伝えられていた。

現場では以前にも誤射があり、安全性や待遇に懸念を抱いたスタッフが現場を去る出来事があった。

スカイニュースによると、事件数日前に辞職したカメラオペレーターのレーン・ルーパー氏は、制作マネージャーに宛てたメールで、銃の誤射が2回、特殊効果のための爆発物の誤爆が1回あったと報告。辞職理由について、クルーの安全性と保護の問題を強調した。

一方、アレック・ボールドウィン氏は、職場環境に問題はなかったと主張する他のクルーの投稿を自身のSNSでシェアするなどして、安全性や労働環境に対する批判に間接的に反論している。

これまでのところ逮捕者は出ていないが、ニューメキシコ州の検察は、今後の捜査次第で、刑事訴追に動く可能性もあるとしている。サンタフェ郡の保安官事務所は、ボールドウィン氏は「進行中の捜査の一部」と発表している。

スタッフが腕切断の危機に

毒蜘蛛

スカイニュースによると、誤射事件後、撤収作業に加わっていた照明係のジェイソン・ミラー氏が、現場でドクイトグモに腕を噛まれた。ドクイトグモは、北米に生息する毒蜘蛛の一種。

ミラー氏の症状は、数日でみるみる悪化。壊死や化膿症などの重傷に見舞われている。

現在、クラウドファンディンサイトでミラー氏を支援するキャンペーンが立ち上げられているという。キャンペーンページでは、ミラー氏は連日、複数回の手術に耐え、医師らは、感染を止め、腕を切断しないで済むよう懸命な治療を試みていると説明。「医療チームが腕を守ることができたとしても、回復までの道のりは非常に遠い」「最悪の状況で腕を失った場合、本人と家族にとっては生活を一変する、壊滅的な出来事となる」と述べられている。

この件について、プロデューサー陣のスポークスマンは、キャストやクルーの「個人的な問題」についてコメントは控えると発表している。

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