不法移民家族の引き離し 親子再会求めるFB募金キャンペーンに16億円以上の寄付

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不法移民を取り締まる「ゼロ・トレランス政策(不寛容)」(zero tolerance policy)により、メキシコ国境から米国に不法入国する移民親子が、強制的に引き離されている状況に関し、人権的に問題視する声が広がっている。

そのような中、親子の再会を求め、移民や難民に対して法的サービスを行うNPO(RAICES)への支援金が5日間で、1,500万ドル(約16.5億円)以上集まり、話題となっている。

募金を開始したのは、シリコンバレー在住のシャーロットさんとデイブ・ウィルナー夫妻(Charlotte and Dave Willner)。赤い服を着た2歳の女の子が泣いている写真を見て、心を痛めた2人は、Facebookを通じて、テキサスで無料または低価格で法的支援や、通訳などのサービスを提供する難民及び移民の支援団体「Refugee and Immigrant Center for Education and Legal Services」(RAICES)へのファンドレイジングを行った。

16日の午前中に目標金額1,500ドル(約16.5万円)でスタートしたファンドは、多くの人の賛同を集め、5日間で40万人以上から約1,500万ドル(約16.5億円)が集められた。これは、単体で行われた寄付のキャンペーンとしては、Facebook史上最高の金額となる。現在も寄付金額は増え続けている。

SFGATEによると、寄付の平均金額は50ドル(約5,500円)で、火曜日には1分間ごとに約4,000ドル(約44万円)が集まったという。

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火曜日には、FacebookのCEOのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)が自身のフェイスブックで支援を呼びかけた。COOのシェリル・サンドバーグ(Sheryl Kara Sandberg)も寄付を行い、テキサスの人権団体(Texas Civil Rights Project)やRAICESへの支援を呼びかけた。

ウィルナー夫妻は、「支持政党にかかわらず、我々は国境で親から引き離された子供たちを見て、困惑しています。最前列で助けることはできませんが、RAICESを支援したいと思っています。」とし、「このようにコミュニティの力で皆が団結した時、無力感から解き放たれる何かを見つけることができる。」と述べた。

RAICESは、現在50名ほどの弁護士を抱えており、さらに多くの弁護士を派遣する計画だという。

トランプ大統領は、大統領令で引き離しを停止

ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官は、4月に不法移民の取り締りに関し、ゼロトレランス(不寛容)政策を発表。これまで民事案件として扱ってきたケースに関しても、例外なく刑事訴追を行い、親を拘留することを決定している。親が拘留されている間、子供は引き離され、保護施設に収容されている。

国土安全保障省は先週末、4月19日から5月31日の間に、1940家族から約2,000人の子供が引き離されたことを明らかにした。
メラニア大統領夫人や、ローラ・ブッシュ(Laura Bush)元大統領夫人らも相次いで声明の発表や、オプエドに寄稿を行うなど、政策への懸念を表明した

上記の写真に加え、檻のような施設(ウォルマートの元倉庫)で寝泊まりする子供たちの写真や、ProPublicaが入手した子供たちの泣き声を収録した音声がメディアに公開され、批判はさらに高まりを見せた。

水曜日、トランプ大統領は、大統領令に署名し、親子の引き離しを停止すると発表を行った。「私も家族が引き離されるのを見るのはいい気がしない。」と理由を述べた。不法移民に対するゼロトレランス(不寛容)政策は引き続き行うという。