「撃墜されるのが怖い」プーチン氏 移動はもっぱら専用電車

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ロシアのプーチン大統領は、飛行機が撃墜されるのを恐れ、代わりに電車で移動しているという。

CNNがロシア政府に関連する犯罪活動を追跡する調査グループ「Dossier Center」の報告をもとに伝えたところでは、ウクライナ侵攻の開始後から、プライベート機に乗るのをやめ、ほとんどの場合、電車を使用している。

使用しているのは装甲を施した特別列車で、特別な通信システムを搭載している。Dossier Centerの指導者、ミハイル・ホドルコフスキーは同局の取材に、プーチン氏が列車を利用するのは「彼は飛行機が追跡されるのを恐れていて、撃墜されるのを恐れているからだ」と説明。続けて「彼は、誰も行き先を知らないし、列車の中にいるかわからないから、より安全な方法だと信じている」と話した。

秘密の駅

これと並行して、ロシアの独立調査報道メディア、Proektは、プーチン氏の主要な公邸をつなぐ秘密の駅や路線が構築されていると報じた。

記者らは、ヴァルダイとノボオガリョボ、ソチの大統領公邸の近くに建設された駅を特定。ヴァルダイについては、昨年、公邸近くにある国立公園内にヘリポートを備えた警備付きの鉄道駅を記者が確認した。地元の住人は線路と駅は、国家元首専用につくられたものだと話したという。モスクワとサンクトペテルブルグを結ぶ鉄道に勤務していたという元鉄道運転手は、大統領の特別列車を一度ならず見たと取材に答えた。建設時期については、衛星画像から2019年頃だと考えられるという。

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ノボオガリョボの駅は、公邸から400mほどの場所にあり、少なくとも2015年に建てられたと可能性がある。土地はもともと私有地だったが、当時首相だったメドヴェージェフ氏の決定で国が取り上げた。駅は高いフェンスで覆われ、10メートルごとに監視カメラが設置されているという。

ソチのボチャロフ・ルチェイの邸宅近くには、2017年に駅と行き止まりの線路が建設されたという。

どんな電車?

Dossier Centerが公表した内容によると、プーチン氏は、特にヴァルダイの邸宅に移動するために使用しているという。

列車は、一般的な車両とほとんど見分けがつかないが、動力車や輪軸の数が多く、覆われた通信アンテナがあるのが特徴だという。寝室や会議用の書斎を備えた大統領専用車両と、側近のための車両、通信車両などからなるとみられる。推定価格は10億ルーブル(約18億円)とされ、2014年頃に装甲がはめられ、2021年の夏の後半頃から積極的に使用されるようになったという。