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【決算ウォッチ】Oklo、初号機の稼働目標を「2028〜29年」に修正 Meta契約「建設の拘束力なし」と経営陣

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Oklo Q3決算

次世代原子炉を開発するOklo(NYSE: OKLO)は11月6日、2026年7〜9月期(Q3)の決算を発表した。売上高は186万ドル、純損失は4,175万ドル、1株損失は0.22ドルで、売上高と1株損失はいずれも市場予想より良かった。同日の株価は前日比22.7%高の23.55ドルで引け、中間選挙後の下げをほぼ取り戻した。

ただし、本業の収益化はまだ先だ。売上は買収した子会社の受託収入が中心で、電力やアイソトープの販売ではない。赤字を抑えたのは、土地売却益と手元資金の利息だった。初号機Auroraの稼働目標は「2028年」から「2028〜2029年」に広がり、Metaとの合意について経営陣は、原子炉建設についての拘束力は現時点ではないと明らかにした。

決算の数字

項目2026年Q3前年同期2026年1〜9月
売上高186万ドル0307万ドル
売上原価109万ドル0181万ドル
売上総利益77万ドル0126万ドル
研究開発費4,165万ドル1,495万ドル1億817万ドル
一般管理費4,157万ドル2,136万ドル9,971万ドル
資産売却益1,143万ドル01,143万ドル
営業損失7,102万ドル3,631万ドル1億9,518万ドル
利息・配当収入(純額)2,789万ドル712万ドル7,243万ドル
投資有価証券評価益(純額)204万ドル0204万ドル
その他営業外費用▲49万ドル0▲247万ドル
営業外収益合計2,943万ドル712万ドル7,200万ドル
法人税等16万ドル53万ドル16万ドル
純損失4,175万ドル2,972万ドル1億2,335万ドル
1株損失0.22ドル0.20ドル0.69ドル
現金・有価証券(9月末)31.31億ドル――

市場予想は、S&P Global Market Intelligence集計で売上高111万ドル、1株損失0.26ドル、Zacks集計で1株損失0.29ドルだった。いずれの集計でも、Okloの実績は予想を上回った。手元資金は6月末の30.06億ドルから増えた。

初号機の稼働目標が「2028〜29年」に

今回の決算で注目すべき変化は、アイダホ国立研究所(INL)に建設中の初号機Aurora(出力75MW)の稼働目標だ。四半期報告書(10-Q)の記載は、Q1とQ2では「2028年」だったが、Q3では「2028〜2029年」に広がった。

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決算説明会で、これを2029年寄りへの後ずれと読むべきかとアナリストから問われたジェイコブ・デウィット(Jacob DeWitte)CEOは、これを明確には否定せず、8月に臨界を達成した試験炉Grovesの経験から余裕を持たせたと説明した。原子炉の状態を監視する計測機器は、周囲の電気ノイズの影響を受けやすい。プラント全体を組み上げた後に、ノイズを抑えて正しい値が出るよう調整する作業に時間がかかるという。

工事自体は進んでいる。デウィット氏によると、原子炉エリアの掘削は完了し、安全関連の鉄筋工事が進行中で、11月4日時点で鉄骨が立ち上がった。一方、エネルギー省(DOE)の認可は5段階のうち2段階を終えた段階で、残る最終安全解析(DSA)の承認は2028年まで進まない見込みだ。その後に運転準備審査と起動許可が控える。

売上は買収子会社の受託収入

Q3の売上186万ドルは、ほぼ全額が6月に買収した2社によるものだった。精密加工・機械設計のARMECと、ナトリウム系の化学プロセス設計を手がけるCEIで、既存顧客からのエンジニアリング受託が中心だ。内訳はエンジニアリング・コンサルティングが156万ドル、製造・加工が30万ドルで、電力やアイソトープの販売ではない。なお、売上計上は2026年第2四半期が初めてで、Q2は約121万ドル、Q3は186万ドルだった。

赤字を抑えたのは土地売却益と利息

Q3の営業損失は7,102万ドルで、前年同期の3,631万ドルから拡大した。このうち、土地を第三者に売却した利益1,143万ドルが含まれる。これを除くと営業損失は約8,245万ドルで、Q2の約7,300万ドルより膨らんだ。人員増と外部委託の拡大で、研究開発費は前年同期比179%増の4,165万ドル、一般管理費は95%増の4,157万ドルとなった。

一方、純損失を4,175万ドルにとどめたのは、利息・配当収入の2,789万ドルと、保有株式の評価益204万ドルだ。利息・配当収入は、株式発行で積み上げた約31億ドルをMMF(マネー・マーケット・ファンド)や米国債などで運用した結果で、前年同期の712万ドルから約4倍に増えた。

資金は株式発行頼み、発行単価は下落

Okloは1〜9月に、市場で随時株式を売り出すATM(アット・ザ・マーケット)で3,261万株を発行し、純額22.5億ドルを調達した。株価の下落とともに、1株あたりの平均売り出し価格は下がっている。

プログラム発行株数平均売り出し価格(手数料控除前)純調達額
2025年プログラム(1〜3月に完了)1,238万株96.95ドル11.8億ドル
2026年第1プログラム(9月までに完了)1,797万株55.64ドル9.8億ドル
2026年第2プログラム(9月開始、継続中)226万株39.30ドル0.9億ドル

第2プログラムの枠は最大10億ドルで、まだ大半が残っている。2026年通期の見通しは、営業キャッシュフローの流出が1.2億〜1.5億ドル、設備投資が4億〜5億ドル。クレイグ・ビールメア(Craig Bealmear)CFOは、資金を前もって調達したことで、燃料や長納期の機器を早めに確保できると説明した。

また10-Qによると、デウィットCEOとキャロライン・デウィット(Caroline DeWitte)COOに関連する信託が9月29日、売却計画(10b5-1プラン)を採用した。2027年1月12日から同年末まで、最大250万株を売却できる。

許認可:Grovesは1年足らずで臨界、NRCの新ルールも追い風

テキサス州のアイソトープ試験炉Grovesは、DOEの認可手続きを7か月足らずで終えた。主な建設は229日で済み、総費用は建設費約6,500万ドルと燃料約1,000万ドルの計約7,500万ドルだった。3月時点の臨界達成目標は7月4日で、約1か月遅れたことになる。

初号機Auroraについては、DOEが6月に予備安全解析(PDSA)を承認した。同社はこれを、原子力規制委員会(NRC)の建設許可に相当する節目と位置づけている。

政策面では、NRCが10月26日に新しい規則を公表し、11月25日に施行される。DOEの認可下で実証した原子炉の安全解析や運転データを、商業炉の許認可申請に使えるようにするものだ。デウィット氏は、DOE経由でAuroraを進めてきた戦略の価値が高まると述べた。

Meta:建設の拘束力はないが、燃料の段階は動き出した

Metaは1月、オハイオ州パイク郡で最大1.2GWの発電拠点を開発するため、Okloと電力の前払い契約を結んだ。決算説明会でアナリストが拘束力の有無を尋ねると、ジェイコブ・デウィット氏は「現状では原子炉建設について拘束力はない」と回答した。

ただし、すべてが未確定というわけではない。ビールメア氏によると、Metaが拠出した資金で発電容量が予約されており、資金の使途には段階ごとのマイルストーンがある。最初の大きなマイルストーンは燃料の確保だ。10-Qによると、Okloは9月30日、Meta向けの原子炉に使う燃料(HALEU:高純度低濃縮ウラン)の供給契約をCentrus Energyと結んだ。11月2日にはMetaの初回資金がエスクローから解放され、Centrusへの燃料注文に充当される形で支払われた。

残る壁の一つは送電網への接続だ。オハイオの案件は地域送電機関PJMの審査中で、ビールメア氏は手続きに今後24か月程度かかるとの見通しを示した。別の候補地だったバージニア州では、PJMがOkloの接続申請を取り下げ、Okloの異議申し立ても連邦エネルギー規制委員会(FERC)に退けられた。同社は、オハイオへの影響はないとしている。

株価:中間選挙後の下げを1日で回復

Okloの株価は、中間選挙の投票日だった11月3日の終値23.49ドルから、11月5日には19.20ドルまで2日で約18%下げていた。決算発表日の11月6日は高値24.03ドルまで買われ、23.55ドルで引けた。出来高は約2,491万株だった。年初来では、2025年末の終値71.76ドルから約67%安い水準にある。

同じ日、小型モジュール炉のNuScale Powerは約15%、マイクロ炉のNano Nuclear Energyは約9%上昇し(いずれも午前時点)、原子力株が一斉に反発した。米メディアの24/7 Wall St.は、民主党の大勝を受けた売りの巻き戻しと解説している。

決算説明会では、Goldman Sachsのアナリストが政治情勢の変化と、州レベルで広がるデータセンター建設の一時停止措置の動きを取り上げた。デウィット氏は、原子力には超党派の支持があり、製造業の国内回帰に伴う電力需要もあると強調した。ビールメア氏は、先進原子力を後押しするADVANCE法がバイデン政権下で成立したことに触れた。全米知事会議では民主・共和両党の知事が同じくらいOkloとの面談を求めたといい、選挙後に関心を失ったという顧客からの連絡はないと述べた。

次の注目点

  • 11月25日:DOEで実証した炉のデータをNRCの許認可に使える新規則が施行される
  • Auroraの建設費見積もりを開示するか(24/7 Wall St.は次の試金石と指摘)
  • Metaとの合意が、拘束力のある電力購入契約(PPA)に進むか。オハイオの系統接続審査は約24か月
  • 2027年:Aurora(アイダホ)向けの燃料製造施設A3Fで初の燃料集合体、リサイクルのパイロット施設の試運転(いずれも会社目標)
  • 2027年1月12日以降:創業者関連の信託による最大250万株の売却が可能に