NYで自転車乗用中の死者急増。5,840万ドルの安全計画発表

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ニューヨークのビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は、市内で自転車乗用中の交通事故が増加していることを受け、5,840万ドル(約64億円)の安全計画を発表した

計画では、車道と分離した自転車専用道路(protected lanes)の増設や、事故が多発している交差点への警察官の配備、交通職員の増員などが含まれる。

デブラシオ市長は2014年に「ビジョン・ゼロ」(Vision Zero)プログラム導入し、10年後の2024年までに交通事故による死者数をゼロにする目標を掲げている。
しかし、7月末時点で今年の自転車事故による死者は17人となり、昨年全体の10人より大幅に増加。

7月上旬には3人が死亡する事故が発生し、擁護団体などから対策を望む声が高まっていた。今週火曜日、さらに2人が死亡する事故が発生し、安全計画の策定が急務となった。

発表によると、2006年には18万だった自転車の乗用回数は、現在46万へと増加。近年は、ウーバーやリフトなど配車サービスによる道路混雑に加え、アマゾンやアプリを使用した自転車でのフードデリバリーも増加し、道路の安全状況は悪化している。

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主な安全計画

  • 17件の交通事故のうち12件がブルックリンで発生していることを受け、ブルックリンとクイーンズの優先地区10箇所(コロナ、イーストエルムハースト、ジャクソンハイツ、ベイリッジ、ミッドウッド、シープスヘッドベイ、ブラウンズビルなど)に自転車専用道路を設置する。
  • 衝突事故の多い100箇所の交差点に警察官を配置し、主にトラックの交通規則遵守の監視を強化する。市の交通職員も80人追加し、交通状態の改善を図る。
  • 現在1,243マイルのうち480マイルが自転車専用道路となっている。市は、過去3年間で平均20マイルの自転車専用道路を設置してきたが、今後は30マイルへと設置速度を加速する。
  • 青信号のタイミングを調整することで、交通量を減少させるパイロット・プログラム「グリーン・ウェーブ」(Green Wave)を自転車レーンにも適用する。