NORADがサンタクロース大追跡。クリスマスの伝統行事

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北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、今年で64年目となるクリスマスの伝統行事、軍事レーダーを使ったサンタクロースの大追跡「ノーラッド・トラック・サンタ」(NORAD Tracks Santa)を24日早朝に開始した。

NORAD サンタ追跡
Photo by Maj. Michael Humphreys

NORADは米国とカナダによる共同防衛組織で、通常はレーダーや衛星などを使い、人工衛星やミサイル、飛行機などによる攻撃や脅威がないか監視を行っている。

誤解から始まったサンタの追跡

NORADによるサンタクロース追跡は1955年、コロラド州コロラドスプリングス(Colorado Springs)市の地元新聞の広告に、誤った情報が掲載されたことがきっかけとなった。

百貨店シアーズ(Sears Roebuck & Co)のクリスマス広告には、サンタクロースのイラスト付きで「私に電話してね!」と電話番号が記載されていたが、その番号は、NORADの前身であるCONAD(本土防空軍)の直通番号だった。

当時は冷戦時代だったため、電話が鳴った時ハリー・シャウプ(Harry Shoup)大佐は大変驚いたという。シャウプさんの息子リックさんは「父は米国が攻撃を受けたのかと思ったようだ。」とNPRに語っている

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電話を取ったシャウプさんは、小さな子供が「サンタクロースですか?」と尋ねたため、イタズラだと思い憤慨したという。叱られた子供が泣き始めたため、冗談ではなさそうだと気付いたシャウプさんは、「Ho、Ho、Ho」とサンタの真似をしたという。その後、子供の母親に電話を変わってもらったところ、広告の電話番号が誤植であることが判明した。

その後も次々と電話が鳴ったため、シャウプさんは子供たちのためにサンタに扮するスタッフを配備し対応した。

1958年、米国はカナダと共同で北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)を設立。サンタを追跡するミッションもNORADに引き継がれた。
現在も多くのボランティアが司令部に集い、子供達の電話を受け、北極を出発したサンタクロースの居場所を教える活動を続けている。サンタクロースの居場所は公式サイトから見ることができる。

大統領も参加するイベント

Trump Santa
President Trump and the First Lady Participate in NORAD Santa Tracker Calls(Official White House Photo by Shealah Craighead)

昨年は国境の壁建設費をめぐる与野党の対立により、米政府機関が一部閉鎖されるなか、サンタの追跡活動は実施された。
フロリダ州マールアラーゴに滞在中だったトランプ大統領とメラニア夫人も、子供たちからの電話に応答。トランプ氏は7歳の少女に「サンタをまだ信じているのか?」と逆質問する場面が話題となった。