大統領選巡る「テイラー・スウィフト騒ぎ」恋人にも飛び火

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2024年の大統領選を前に、保守派の間では、国民的歌手テイラー・スウィフトに加え、その交際相手のNFLのスター選手、カンザスシティ・チーフスのトラヴィス・ケルシー(Travis Kelce)に対する警戒や疑念が高まっている。

チーフスは11日、ラスベガスで開催される第58回スーパーボウルで、サンフランシスコ49ersと対戦する。テイラーは世界ツアーの日本公演を10日に終えた後、米国にとんぼ帰りし、スタジアムに姿を現すと見られている。

保守系ケーブルテレビ局のニューズマックスは1日の放送で、ビッグカップルに言及。司会者のエリック・ボーリング氏は、2020年大統領選でバイデン氏の支持を表明したテイラーが「ミスター・ファイザー」と交際していると述べ、ケルシーは民主党の「策略にはまった人物」と主張した。

ボーリング氏は、ケルシーがワクチンを接種するよう呼びかけるCMに出演しているとも語り、「彼はファイザーの広告塔だけでなく、保守派はいまや誰も口にしないバドライトのスポークスマンでもある」と強調。「国歌斉唱で膝をついている姿が記録されていることもお忘れなきよう」と視聴者に呼びかけた。

なおケルシーは、チームメイトのパトリック・マホームズ選手と並び、NFLで最も多くのCMに出演している

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ファイザー社は、CM出演料として、ケルシーとNFLの年棒(1,430万ドル)を超える2,000万ドルの契約を締結したと伝えられている。反ワクチン派からは「魂を売った」「裏切り者」「大手製薬会社は、政治家だけでなくアスリートまで買収し始めたのか」といった非難に加えて、ジェッツのアーロン・ロジャース選手が「ミスター・ファイザー」と皮肉るなど、激しい反応を引き起こした。

バドライトは昨年、トランスジェンダーのインフルエンサー、ディラン・マルヴァニーをキャンペーンに起用したことで保守派の反感を買った。ボイコット運動に発展し、20年以上守ってきた国内売上No.1の座を失った

ボーリング氏はテイラーについて、バイデン陣営が選挙キャンペーンに「取り込もうとしていると伝えられている」とニューヨークタイムズの報道に触れた上で、世論調査では「有権者の5人に1人がテイラー・スウィフトが支持する候補者に投票する可能性がある」とその影響力を説明し、バイデン陣営は「彼女のエンドースを心底欲している」と加えた。

「テイラーに関する大々的なメディアキャンペーンが、政府による陰謀という証拠はない」としつつも、「政治的な戦いにおける、役立つ愚か者であることは疑いの余地がない」と断言した。

このほかにも、FOXニュースの司会者からは、テイラーに「政治に関与しないよう」求める意見や、「大統領選について決断を下す前によく考えたほうが良い」といった忠告の声が上がっている

トランプサポーターから一方的に「政治的脅威」とみなされた大物カップル。テイラーは果たして、今回もバイデン氏の支持を表明するのか、今後の動向が注目される。