行方不明女子大生を保護 容疑者宅で裸、石炭まみれに

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ユタ州で、行方不明になっていた女子大生が18日、5日ぶりに保護された。誘拐したとされる容疑者の男の自宅で、全裸で石炭まみれになった状態で発見されたという。

無事に保護されたのはユタ州エフライムにあるスノーカレッジに通うマデリン・アレンさん(19)。13日に大学の寮を出た後、行方不明となっていた。ちなみにカレッジは、生徒数は6,000人ほどで、ソルトレークシティの南方約190kmほどの場所にある。

捜査当局は、大学から約145kmほど離れたウェイン郡ロアに住むブレント・ニール・ブラウン被告(39)を逮捕。誘拐、レイプ、性器以外による性的暴行を示すオブジェクト・レイプ罪、司法妨害の罪で起訴した。

アレンさんが寮を出たのは、13日午後9時22分。建物内の監視カメラには、レジ袋を持って出かける姿が映っていた。

捜査官の宣誓供述書によると、アレンさんとブラウン被告は、オンラインの「チャット・グループ」で知り合った。13日、ブラウン被告がアレンさんを車で拾い、自宅に連れて行った。

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翌日、アレンさんから両親に「愛している」とメッセージが入ったという。心配に思った両親が通信会社に問い合わせをしたところ、ロアから送信されたことがわかった。

これと並行して、捜査官もアレンさんの携帯電話がロアで接続されたことを把握。町の捜索を開始した。

捜索の末、捜査官らはブラウン被告の家にたどり着いた。被告の家に近づいた際、地下室の窓から、「明るい髪の毛の人物と、小さな建造物」が見えたという。

玄関に出たブラウン被告は最初、家の中には自分以外にいないと回答。屋内の捜索を願い出た捜査官に対して、物件を所有している両親の許可が必要だと話したという。

その後、捜査官らはブラウン被告の両親の許可を取り付け、捜索を開始。地下にある「石炭の貯蔵エリア」に捕らえられたアレンさんを発見した。この時、アレンさんは裸で、「完全に石炭で覆われていた」という。ブラウン被告の逮捕時、地下にあった銃とブラウン被告のものとされる3本の刃物を押収した。

ブラウン被告は、捜査官の調べに、アレンさんを車に乗せた後、携帯電話を取り上げて電源を切ったと供述。一度、両親にテキストを送らせてやるために返したが、再び取り上げたと話した。

仕事の間は、アレンさんを縛り、食事を置いて出かけたといい、アレンさんの行方不明がニュースに取り上げられたのを知って、携帯電話をゴミ箱に捨てたとも供述した。

なお、家にブラウン被告の両親が同居していたかは明らかにされていない。

一方、アレンさんは捜査官に、ブラウン被告から繰り返してレイプされ、息ができなくなるまで首を絞められ、口と鼻を押さえられたと話した。さらに、逃げたり、被害を口外したりするようなことがあれば、家族が危険な目にあうと脅されたと供述した。

アレンさんは搬送された病院から19日に退院。アレンさんの父、ジョナサンさんと母のタウニャさんが出迎え、再会を果たした。アレンさんのけがの容体は伝えられていない。

アレンさんのおじジェイコブさんは、記者会見で「危険でトラウマになるような」出来事に見舞われたことを、アレンさん本人も家族も自覚し始めている、と語った。記者に対し「姪は戦士だ。そしてサバイバーだ。姪がまた私たちと一緒に過ごし、回復に向かえることに感謝する」と述べた。

KSTUによると、裁判所はブラウン容疑者を保釈金なしで拘束するよう命じた。弁護士を雇ったかどうかは不明だという。