ヒッケンルーパー前コロラド州知事 2020年大統領選に出馬

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コロラド州知事を2期務めたジョン・ヒッケンルーバー氏(民主党)は4日、2020年大統領選への出馬を正式に表明した。

この日、公開したキャンペーンビデオでは、ヘルスケア加入者の拡充や経済成長、メタン排出規制、銃売買のユニバーサル・バックグラウンド・チェックや大容量の弾倉の禁止などの州知事時代の成果を強調。「人々を一つすることができることを何度も証明してきた」と述べ、「私と共に、我々の国に与えられたダメージを修復しよう」と支持を呼びかけた。

ビデオ公開後にはABCの朝のニュース番組『グッドモーニングアメリカ』に出演。
「おそらく南北戦争以来、最悪の分裂の時期にある」と国家の危機について語り、「私は、ドナルド・トランプを打ち負かすだけでなく、反対する人々を一つにまとめることができる人物であり、実際にそれを行なったきた」と述べた。すでに多くの議員らが民主党から出馬している中、いかに差別化をはかるかについて、「人々をまとめてきた強い実績」と繰り返し強調した。

自身を「極度の穏健派」と呼ぶヒッケンルーパー氏だが、今後数週間の間に、ジョー・バイデン副大統領やシェロッド・ブラウン上院議員(オハイオ州選出)、モンタナ州のスティーブ・ブロック州知事といった、穏健路線の政治家らの出馬が噂されている。

ヒッケンルーパー氏は、2011年から2019年までコロラド州知事を務めた。ニューヨークタイムズによると、ヒッケンルーバー氏は慎重に両党の合意を形成していく政治手腕で、コロラド州を不況から脱出させることに成功。今年一月に州知事の人気を終えた際、コロラド州は米国で最も好調な経済状況に到達したという。

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2012年に発生した12人の死者と大量の負傷者を出したオーロラ銃乱射事件の翌年には、激しい反対を抑え、銃所持に関する厳格な身元確認や大容量マガジンの禁止といった銃規制法に署名した。

ヒッケンルーパー氏(67)は、ペンシルバニア州のナーバース生まれ。鉄鋼加工工場に務めた父親は、ヒッケンルーパー氏が8歳の時に癌で亡くなり、母親が一人で4人の子供を育てた。1981年にコロラド州に移り、石油産業で地質学者として勤務した。産業の衰退により職を解雇された後、デンバーでブルーパブをスタート。事業はその後15のパブやレストランへと成長した。2003年にデンバー市長に当選。2007年は87%の大量の投票を獲得し、再選を果たした。2010年の知事選に出馬し、当選。メディケアの拡充を推し進めたほか、一連の銃規制法案に署名を行った。さらに2012年には嗜好用大麻の合法化を認め、他州に先駆けて合法化を推進するモデルとして全国の注目を集めている。