ジェイソン・ポランさんが死去。ニューヨーカーを描き続けたイラストレーター

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ニューヨーカーのスケッチで有名なアーティスト、ジェイソン・ポラン(Jason Polan)さんが27日、ニューヨーク市内で死去した。37歳だった。Gothamistによると昨年夏からガンを患っていたという。

ポランさんは、全てのニューヨーカーを描くという野心的なプロジェクト「エブリ・パーソン・イン・ニューヨーク」(Every Person in New York)で、2008年から地下鉄やストリート、ファストフード店、レストラン、美術館などあらゆる場所でイラストを描き、頻繁にブログに投稿してきた。2015年には「Every Person in New York, Volume 1」の出版へとつながった。
ポランさんは「明日バスにひかれる可能性もあるので、そうすれば、プロジェクトは完成しませんが、生きていて描ける限り、私はこの企画について考えていくつもりです」とWNYCのインタビューで語っていた。

ポランさんは、ミシガン州フランクリンで生まれた。ミシガン大学で人類学と芸術の学位を取得したのち、2004年にニューヨークへと移った。

ユニクロなどの商業作品の製作に携わった後、2005年にファストフード店、タコベルでドローイングを書く「Taco Bell Drawing Club」を設立。1週間に1度ユニオンスクエアのタコベルに集い、絵を描いたり話をするアットホームな会を主催してきた。同店を選んだのは、地元を思い出させる店だったからと雑誌ニューヨーカーに語っている。「タコベルで絵を描けば、みんなメンバーだ。」と言って、ラミネート入りのネームカードを渡したという。
ジョシュア・サフディ(Benny Safdie)監督もメンバーの1人であり、追悼のメッセージをSNSに投稿した。

2011年には、チェルシーのニコラス・ロビンソン・ギャラリー(Nicholas Robinson Gallery)で初の個展を開催した。ニューヨークタイムズのオピニオンコーナーにイラストをメインとした「Things I Saw」を寄稿。2015年には近代美術館(MoMA)を訪れる人や館長、作品などを描いた「Every Piece of Art in the Museum of Modern Art」を出版した。
ユニクロやソルドス(Soldos)、バグー(baggu)などファッションブランドとのコラボレーションしたほか、ユダヤデリのラス&ドーターズ(Russ & Daughters)やアイウェアのワービー・パーカー(Warby Parker)など地元企業にイラストを提供してきた。

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Jason Polan
Russ & Daughtersのポストカード ©mashupNY

ブログの最後の投稿は昨年12月16日で、タコベルの椅子に座る男性や、スパイダーマンのバックパックを持った親子の姿が描かれている。