リアル「ハンニバル」? 男を食人行為の罪で起訴

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男性の体を切断して殺害したアイダホ州の男が、カニバリズム(食人行為)の罪で追起訴された。捜査当局者によると、アイダホ州でカニバリズムで起訴されるのは初めてだという。地元紙コーダレーンプレスが伝えた。

起訴されたのは、人口250人ほどの町、アイダホ州オールドタウンに住むジェームズ・デビッド・ラッセル被告(39)。被告は9月にデビッド・フラゲットさん(70)を殺害し、第一級殺人罪に問われていたが、アイダホ州ボナー郡の検察当局は今月15日、罪状にカニバリズムを加えた。

9月10日、ロウアー・モスキート・クリーク・ロードで、殺人の可能性があるとの通報を受けた保安官らが現場に駆けつけると、トラックの助手席に逆さまに乗せられ、意識不明になったフラゲットさんを発見した。

ラッセル被告はその場から逃走。住んでいた建物の屋根裏に逃げ込み、一時立てこもったが、程なくして逮捕に至った。

翌日、ラッセル被告の自宅からフラゲットさんの遺体の断片が複数見つかり、その際、遺体の一部に熱が加えられた形跡を示す「サーマル・アーティファクト」も確認された。検視の結果、被告の自宅から見つかった体細胞組織はフラゲットさんのものと一致することが判明した。遺体の一部は未だ見つかっていない。

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フラゲットさんの両手首はダクトテープで結ばれていたが、テープの下に血液がついていなかったことから、殺害前に身体の自由を奪われていたとみられる。

このほか、被告の自宅からは、ナイフとダッフルバッグ、電子レンジ、ガラス製のボウルがいずれも血のついた状態で押収されたという。

現場には遺体の処分やその他の証拠隠滅のため、清掃キットが使われた形跡があったという。

「脳を治療するため」

公判記録によると、ラッセル被告は取調べに際して、黙秘権や弁護士の立会を求める権利などを謳ったミランダ権があることの説明を繰り返し受けたものの理解できず、「個人の敷地に、家族以外の者に入ってきて欲しくない」と連呼するだけだった。

また、捜査当局の資料によると、ラッセル被告は「人肉を切断することに治癒効果がある」と信じており、調べに「脳を治すため」などと話したという。

逮捕時、被告の薬物検査は行われていなかった。

裁判は10月、下級裁判所のタラ・ハーデン判事がラッセル被告を第一級殺人罪の裁判を受けるには不適格と判断したことで一時中断。同判事は、アイダホセキュリティー医療プログラムで被告に鑑定を受けさせるよう命じた。10月5日に精神鑑定が行われたが、結果は裁判所命令により公表されていない。

ラッセル被告の次回の公判は、今月28日の予定。