カーセックスで性感染症に 自動車保険はカバーする?米で訴訟

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米自動車保険大手のGEICO(ガイコ)は、カーセックスで契約者の男性から性病をうつされたとする女性に、多額の保険金を支払わなければならないかもしれない。

abcニュースによると、ミズーリ州上訴裁判所の判事3人は9日、女性が保険金を受け取る資格があるとする仲裁人の決定を認めた下級審の判決を支持するとした。しかしGEICO側はこれとは別に、女性の請求は男性の契約でカバーされるものではないとして、連邦裁判所にさらなる判断を求めた。

裁判所に提出された資料で、M.Oと匿名で表記された女性は、自動車の中で性交渉をした際、男性が病気を明かさなかったため、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染したと主張しているという。HPVは子宮頸がんやその他のがんを引き起こす可能性がある。

一連の争いは、女性が2021年2月、100万ドル(1億3,400万)の損害賠償を請求する意向をGEICOに通知したことから始まった。

女性はこの時、自動車保険によって自身の怪我や損失を補償されるべきだと主張したが、GEICOは、車両の通常使用によって起きた問題ではないとして、この申し出を拒否した。

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最終的に仲裁人によって、女性が受けた損害と傷害に対して520万ドル(6億9,700万円)が支払われるべきと決定がくだされた。

女性がこの判断の確定を求めて、州裁判所に申し立てを行うと、GEICOは、仲裁は「共謀と詐欺」によって成されたもので、法による適正な手続きを受ける権利を侵害されたと主張。支払いは執行不能だとして、異議を申し立てた。しかしながら下級審はこれを却下。女性に対する裁定額を認めたため、GEICOは上級審に判断を求めていた。