花火もインフレ 価格高騰のワケ、米

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夏の風物詩として米国でも親しまれている花火の価格が、大幅に値上がりしているという。

過去2年間は、パンデミックにより花火大会が中止なるなどしたことから、一般向けの花火の需要が急増。サプライチェーンの問題が加わり、大幅な品不足が報じられた。

USA Todayは、今年について、一部の人気商品は独立記念日に売り切れる可能性があるが、小売および流通業者ともに、前年よりも需要に対応する準備が整っていると報じている。

コンシューマー向け花火の流通大手「ファントム・ファイアーワークス」のブルース・ゾルダン最高経営責任者は、同紙に、過去2年間で納期通りに到着した注文は50%ほどだったところが、今年は75%から80%に改善したと話している。

一方、価格については「不運にも、価格上昇の一部を転嫁しなければならない」と説明。「2019年から2022年にかけて、コストが少なくとも2倍になっていると思う」と語った。

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コンシューマー花火の業界団体「American Pyrotechnics Association」は、業界全体のコストは35%増加しているとの試算を示している。

要因として、原材料が控えめに計算して20%高騰しているほか、2019年は一つあたり8,000ドル~1万ドルだったコンテナの輸送コストが、4万5,000ドルに上昇していると指摘。加えて、製造物責任やトラック、危険物に関する保険費用の上昇、ガソリン価格の高騰による運送費の劇的な増加、人件費高騰、トラックや自動車のレンタル費用の上昇を挙げている。

ちなみにコンシューマー花火の95%は中国からの輸入品だという。

ブルームバーグは、先述のファントム・ファイアーワークスでは、小売価格を前年から30%値上げしたと伝えている。それでも7月4日には前年を超える需要が見込まれるという。

ニューヨークの花火ルール

パンデミック中、ニューヨーク市では、違法花火に関する苦情が殺到。例年の80倍に増加したと伝えられた。苦情の多くはブルックリンのフラットブッシュやマンハッタンのインウッド近辺からで、SNSには深夜に大型の打ち上げ花火があげられる動画や、撃ち合いなどの危険な遊びをする様子が多数投稿された。

プロ並みの打ち上げ花火

花火で撃ち合い??(||゚Д゚)

ニューヨーク州では、地上から火花を散らすものや、持ち手が木製の花火、パーティークラッカー、癇癪玉は一般人の購入や使用が許可されているが、打ち上げ花火や爆竹、ロケット花火、ローマ花火、金属花火の類は違法とされている。