ペンシルベニア州で不正投票発覚。死亡した母親の名で投票した男を摘発

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ペンシルベニア州デラウエア郡の取締当局は21日、11月3日の選挙で、死亡した母親の名前を使って違法に投票した70歳の男、ブルース・バートマン氏を逮捕、起訴したことを明らかにした。

Jack Stollsteimer地区検事長は声明で「我々の捜査では、バートマン氏が、故意に選挙法を犯したと結論づけた。バートマン氏は、2名の死者を有権者として登録し、このうちの1人、2008年に死亡した自身の母親について、不在者投票を申請し、返信することで犯罪を完遂した」と発表した。

バートマン氏は、トランプ大統領を再選させるために、死亡した母親の名前で投票したと説明しているという。

発表によると、バートマン氏は8月、すでに死亡している母親と義理の母親の名前を、オンラインで登録。バートマン氏自身は共和党員で、2人についても共和党員として登録した。

その後、母親に代わって不在者投票を申請。郡の選挙管理当局は10月17日に不在者投票用紙をバートマン氏に送付した。28日に返送された投票用紙を受け取り、バートマン氏の母親のものとして登録。11月3日の集計に含めた。

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フィラデルフィア・インクワイアラーによると、バートマン氏は死亡した母親の有権者登録に運転免許証を使用。不在者投票用紙を申請し、母親の名前を記入した。義理の母親についてはソーシャルセキュリティ番号を使用して、同様のプロセスを繰り返したが、投票しなかった。

デラウエア郡で死亡した有権者が投票しているという噂はソーシャルメディアで広がり始め、郡の選挙管理委員会に到達。検察官と刑事、他の職員からなる不正投票に関するタスクフォースが、捜査を実施し、犯罪の証拠をつかんだ。

タスクフォースを率いる同地区の検事補、Tanner Rouse氏は同紙に対して「数百件の通報を受け、数百件を訪問をしたが、不正行為の例が見つかったのはたった1件だった」と述べている。

Stollsteimer氏は、バートマン氏の逮捕は、単発の出来事で、郡で広範囲な問題があることを示すものではないと説明している。

同紙によると、バートマン氏は17日に罪状認否を行い、10万ドルの保釈金を支払って保釈されている。

トランプ大統領は、ペンシルベニア州を含む、バイデン氏が勝利した接戦州で大規模な不正が行われたと繰り返して主張しており、敗北を認めていない。トランプ陣営や支持者が、選挙結果を覆すために起こした訴訟は50件を超えるが、ほとんどが退けられるか、取り下げるかしている。

フィラデルフィア・インクワイアラーは、今回のStollsteimer検事長の発表は、ペンシルベニア州における不正投票の三番目の事例だと報じている。