海外トップ大学への圧倒的な合格率 オンライン校「Crimson Global Academy」が提唱するデジタル時代のグローバル教育〜イマドキのインターナショナルスクール

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    オンラインクラスの様子、 提供:Crimson Global Academy

    米国のオンライン高校ランク3位、私立校ランク25位、日本の生徒も多く在籍するCrimson Global Academy。一流大学への合格率が米国の平均の10倍という驚異的な実績がある。日本校の代表である松田悠介さんに斬新なオンラインスクールの可能性とユニークな教育論を伺った。(インタビュアー:中村英雄)

    私どもは以前からCrimson Educationという海外進学専門の学習塾を全世界30拠点で展開していて、これが世界最大の海外進学塾になりました。塾でこれまで何千人という生徒をサポートしていく中で、結構、大学進学に関してみなさん共通の悩みを持たれていたんですよね。現在通学中の「学校」そのものが自分たちには役に立っていない。むしろハードルになっていると感じている方が多いのです。

    例えば、日本の学校であれば、「飛び級」もできないし、生徒の関心に合わせた科目の選択もあまりできません。また、「通学」に多くの時間を割いており、その上で朝から夕方まで学校で過ごし、部活動があって、宿題があって1日が終わってしまう。そうするとやっぱり(海外の)大学進学において差別化のポイントとなる課外活動とか研究活動に取り組めない。

    授業ひとつをとってみても非常に非効率的で、レベルがバラバラの子たちが同じ教室の中にいるわけです。できる子もいれば勉強が遅れがちの子もいる。先生としては、その一人一人のラーニングニーズに合わせた指導ができません。すると、できる子たちは「簡単すぎる、つまらない」と感じてしまい、遅れている子たちは「難しい、わからない」と感じてしまうのです。つまり、システム的に言うと一人一人のアカデミック・ポテンシャルを高めてゆく上で適切な仕組みになっていないのですよね。

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    では、どうすれば皆さんのお悩みを解決できるか?と考えたときに海外進学に適した理想の学校を作ろうじゃないかと思い立ったのです。それが開校の発端です。

    そうですね。実際、学校って校舎を持ってしまうと、必ずしも質の高い先生にアクセスできるとは限らなくなるのです。学校の先生というのはその校舎まで通勤できる距離に住んでなきゃいけない。でも質の高い優秀な先生って世界中にいるのですよ。だったら、そちらにアクセスできるようにしようじゃないかと思ったわけです。

    そして、授業も年齢ごとに受ける授業を決めるのではなくて、学力で決めちゃうと。つまり、習熟度別ですよね。学力はアセスメント試験をしてその結果に合わせて適切な授業をアサインしようと。レベルがバラバラだと指導効率が悪いから、レベルの近い子ども達でグループ編成をするのです。1クラス30〜40人もいたらインタラクションも少ないし、自由で活発な議論もできず、学びの効率も悪い。少人数制であれば、質の高い先生からの指導時間をしっかりと確保できる。少人数制で習熟度別指導をコンセプトにすれば、子ども達のアカデミック・ポテンシャルも上がる。ならば、オンラインというテクノロジーを使って世界中から良い先生にアクセスできるようにしようじゃないか、と考えたわけです。

    学力アセスメントを行って、子ども達の現在位置を確認することで、それこそ習熟度別のクラス編成もできると確信し、オンライン・インターナショナルスクール「Crimson Global Academy」の創立と相成ったわけです。

    これは、決して新型コロナウィルス蔓延による在宅隔離生活が原因ではなく、それ以前からオンラインの国際教育には可能性があると踏んでいました。現在、全世界で生徒数は約1300人、日本の総生徒数は300人に近づいており増加傾向にあります。日本からの卒業生は一期生が出たばかりで5名が海外大学へ進学しています。世界規模で見ると数百人の卒業者がいます。

    現在、50カ国以上から生徒が集まってきています。多様なバックグラウンドを持った子ども達と一緒に学べる環境になっています。国別に見ると、オーストラリア、ニュージーランドの順で生徒数が多く、日本がその次で第3位です。

    英語は共通言語です。海外経験者や帰国子女、あるいは現在も海外に暮らしているお子さんなど生徒のバックグラウンドは様々ですが、英語力が全てとは考えていません。喋れて聞けるだけではなくアカデミックな英語が使えることの方が重要です。英語の標準的なアセスメント(学力テスト)は行いますが、他の科目についても同様のアセスメントを行い能力に応じてクラスを決めます。生徒の中には通っていた学校の授業が肌に合わず不登校になってしまった背景があって、自宅からオンラインで参加している子もいます。

    勉強ってなんで嫌いになるかっていうと、自分のレベルにあっていない学びを強いられるからなのです。数学が嫌いな子というのは、例えば中学二年生であれば中二の数学で引っかかってはいないのです。だいたい小学校4年生の算数で引っかかっている。そういった子供達には小4の算数をちゃんと学んでもらう方が絶対にいいのです。そんな子のために当校では、集団授業ではなく個別指導も用意しています。個別指導なら4倍のスピードで学ぶことができます。だから1年間で2ー3年の遅れを取り戻す事も夢ではないのです。集団授業の進度って本当に遅いのですよ。かたや個別学習だと先生を独り占めできるので4倍のペースで学びが追いつくというわけです。

    米国の高校資格はもちろん、世界のカリキュラムであるAレベルというディプロマも取得できます。

    ※Aレベル:120カ国以上、400万人と世界で最も多くの生徒に選ばれており、Pearson EdexcelとCambridge Internationalという世界的教育機関が提供している国際資格。IGCSEとA-Levelsをとることで、イギリスの大学にファウンデーションコース(予備学校)を経なくても正規で進学できるようになる他、大学の単位にも認定されています。

    アメリカ、イギリス、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど世界中の大学に進学可能です。日本校の第1期生は、英国ケンブリッジ大学、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、UCバークレー、ミネルバ大学などに進んでいます。

    私は学校が社会性を身につけるのに必ずしも最適な場所だとは思わないですね。従来の学校って同調圧力が強くて、同じような年代の人だけと交流していく場で、むしろリアルな社会を全く表していないのではないでしょうか?いろんな年代の人と交わり、多様な人たちと交流してこそリアルな社会です。学校という閉鎖的な環境の中で私はリアルなソーシャルスキルは身につかないと考えます。むしろ私自身、小学校でも中学校でもイジメられた経験があるからこそ感じるのですが、同調性を重んじるあまり抑圧を生んでいる部分も従来の学校にはあるような気がします。学校だけがソーシャライズする場所とは考えられないですね。

    先ほども言ったように本校には不登校のお子さんも結構多いです。その子たちにはオンラインのシステムがとても合っている。彼ら彼女らは、ソーシャライズに限らず上から押し付けられるのが嫌なんですよ。オンラインなら学習中に、ちょっとしんどい、疲れたなと思ったら画面をオフにして自分を落ち着かせることも可能です。これは一般の教室授業の中ではできなかったことです。「ちょっと保健室いかせてください」みたいな形でしかその場を抜け出せない。

    大事なのは次の3つのポイントです。

    一つ目は、うちの生徒は世界中の子ども達とオンラインで交流できます。Zoomで会ったり、ミートアップしたり、オンラインイベントを立ち上げたり、ミニ国連やゲーム会などありとあらゆる形で「触れ合い」が可能なのです。今や世の中の仕事はほぼほぼオンラインですよ。対面でなくても仕事は進む。それに早いうちから慣れ親しんでおくことに利点はあります。

    次の1点。オンラインで、習熟度別クラスで学ぶことで、学びはどんどん効率が良くなっていくので、もはや1日6時間も7時間も学校にいる必要はありません。余った時間を使って地域のコミュニティセンターに行ったり、ボーイスカウトに参加してみたり、スポーツ、プログラミング、アートなども学べる。習い事を始めてもいい。そういうことがどんどん可能になるのです。ひいては自分の志や興味関心が近い人と繋がり、その中で切磋琢磨する人間関係なども生まれるわけです。

    そして最後のポイント。とはいえ学校としてはオンラインのみならず、オフラインで交流する機会も積極的に作りたいので、スポーツ大会やハロウィーンの仮装大会などの場を日本の事務局主催で提供しています。

    小学生〜高校生まで、日本各地から生徒が集まり開催されたハロウィーンの仮装大会、 提供:Crimson Global Academy

    そうですね。特に米国在住を経験したお子さんが帰国後に日本の学校カルチャーに馴染めず最悪の場合、不登校になってしまうといった例を数多く見てきました。逆に日本からアメリカの学校に転校して不適合を起こすケースもあります。要は、そこで無理やり学校に通わせてもダメ。どんどん自己肯定感が低下するだけです。親御さんとしては「子どもにとって最適な環境は何か?」を考えるといいと思います。

    そんな時に本校Crimson Global Academyを選択肢の一つとして検討していただければ嬉しいですよね。まず私たちが最重要視するのは子ども達のアカデミック・ポテンシャルを最大限高めることです。私は、「バカな子どもは一人もいない」と信じています。バカなのはシステムであり環境の方です。適切な環境を整えてあげることで子どもの能力はいくらでも伸ばしていけるはずです。

    松田悠介さん:Crimson Global Academy 日本代表・Crimson Education Japan 代表取締役
    大学卒業後、中学校の体育教師を経てハーバード教育大学院に進学し、修士号を取得。2018年6月にスタンフォードビジネススクールで修士号を取得。2018年7月にスタンフォード大学の客員研究員に着任。現在、コロンビア大学EdTech研究科の修士課程に在籍するほか、文部科学省中央教育審議会の委員を務める。著書に『グーグル、ディズニーよりもはたらきたい「教室」(ダイヤモンド社)』。