ドガ彫刻作品のディスプレーに落書きの環境活動家を起訴、禁錮5年の可能性

37

米連邦捜査当局は26日、首都ワシントンにある美術館、ナショナルギャラリーの展示物に落書きをした環境活動家の男女が、大陪審によって起訴されたことを明らかにした。

公共のプロパティを傷つけたとして起訴されたのは、ノースカロライナ州在住のティム・マーティン被告とニューヨークのジョアンナ・スミス被告(ともに53歳)。二人とも同日朝に出頭した。

先月27日、二人は、塗料を入れたウォーターボトル持って美術館に侵入。人気作品の一つ、エドガー・ドガの「14歳の小さな踊り子像」のケースと台座に塗り付けた。犯行に先立ってワシントンポスト紙の記者に連絡をしていたほか、現場で仲間に携帯電話で犯行の様子を記録させた。

犯行から間もなく、「Declare Emerhency(緊急事態を宣言)」と呼ばれるグループは声明で、「非暴力的な抵抗として、地中から新しい石炭、石油、ガスを掘り出し続ければ、本当の子供たちが確実に苦しむことになるということを喚起するため、芸術作品を一時的に汚した」と発表した。

団体のYouTubeアカウントに公開された動画には、二人が、素手で赤色と黒い色の塗料で落書きをし、警備員らによって拘束されるまでの一部始終が撮影されている。

Advertisement

マーティン被告は、今週新たに公開された動画で、犯行について「衝撃で人々を目覚めさせ、彼らの感情の中心に働きかける方法で行うということだ。われわれは人々の感情を活性化させたい」と話していた。

ナショナルギャラリーによると、「14歳の小さな踊り子像」は、ドガ自身の手によって造形された唯一の彫刻作品で、1878年から1881年にかけて製作された。

検察は、展示物は修復のために10日間非公開とされ、二人が与えた損害は2,400ドルにおよぶと主張。有罪となれば、それぞれ最大で禁錮5年の刑と罰金25万ドルを命じられる可能性があるとしている。