バドライトの米売り上げ低迷、トップの座失う可能性も

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トランスジェンダーのインフルエンサーをキャンペーンに起用したことが、保守派の消費者の激しい反発に遭ったビールの米国内トップブランド「バドライト」。売り上げの低迷が続けば、ナンバー1の座を失い、小売店の棚が縮小される危険があるという。

バドライトの製造元、米アンハイザー・ブッシュは今年、トランスジェンダーのインフルエンサー、ディラン・マルヴァニー(Dylan Mulvaney)(26)とパートナーシップを締結したが、マルヴァニーが4月1日、商品をPRする動画をTikTokに投稿した直後から、保守派の間で不買の声が広がった。

デイリーメールによると、5月20日を最終日とする一週間のバドライトの売り上げは、対前年で25.7%低下。ライバルブランドのモデロ エスペシアルは9.2%上昇した。過去4週では、対前年で24.3%低下、モデロ は8%上昇した。

モデロ エスペシアルの昨年の小売店など(オフプレミス)での売り上げは38億ドルで、48億ドルのバドライトに次いで2位だった。

バドライトとモデロはともに親会社アンハイザー・ブッシュ・インベブ傘下のブランドだが、米国では、司法省による独占禁止法訴訟の和解の一環で、米アンハイザー・ブッシュのライバル、コンスタレーション・グループがモデロのライセンスを所有している。

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アンハイザー・ブッシュの流通・販売部門の元トップだったアンソン・フレリックス氏はデイリーメールの取材に、バドライトの売上低迷が続けば、ミラーライトやクアーズライトなどのライバルに棚を奪われる危険があると指摘した。

同氏によると、ウォルマートやクロガーなどの小売は、春と秋に販売データをもとに棚の配分を見直す。秋の見直しは、4月~7月の売上を参照し、再配分が決定されるという。

棚の変更は長期的な影響を及ぼすという。ライバルブランドは棚と店内在庫が増え、より成功の機会を得る一方、バドライトにとっては「ほぼ永久に、バドライトの売上高とビールカテゴリーにおけるシェアが、新たな標準として固定化されることになる」と説明した。

同氏は、アンハイザー・ブッシュは戦略を練って、6月と7月に失った顧客を取り戻す必要があるとも指摘。「8月、9月の頃には手遅れ」と主張した。