10年前に投資してたらいくらに?ビットコインが上昇

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ビットコイン現物ETFの上場承認の行方をめぐって様々な憶測が流れる中、ビットコインの価格は今週、一時35,000ドルを超え、昨年5月以来の最高値を記録した。

6万ドルを超えた2021年のピークには遠いものの、昨年後半に1.7万ドル程度まで下落して以降、上昇傾向にある。

最近の上昇は、ビットコインの現物に投資する上場投資信託(ETF)の上場が許可される期待が投資家の間に広がっていることを反映したものと報じられている。証券取引委員会(SEC)によって許可された場合、ビットコインを直接買わずに、株式市場を通じた投資が可能になる。規制をクリアした投資商品として、機関投資家のマネーが流入することなどが予想されている。こうした期待感はコインそのものだけではなく、仮想通貨取引所のコインベースや暗号資産マイニング事業を展開するライオット・プラットフォームズといった仮想通貨に関連する企業の株価にも影響を与えている。

ジェミニの創始者、ウィンクルボス兄弟が最初のビットコインETFの申請をしたのは10年前の7月1日。当時は100ドル未満で取引されており、同日の終値は88.05ドルだった。現時点の価値34,621.85ドルをもとにすると、当時1,000ドルを投入していたならば、約392倍の392,470ドルが得られることになる。

グレイスケール・インベストメントとSECの間で争われた裁判で、首都ワシントンの控訴裁判所は8月、グレイスケール・インベストメントによるビットコイン現物ETFの申請を却下したことは誤りだとした。ブルームバーグは23日、同社の勝訴が確定し、SECは再検討を迫られることになったと伝えた。

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グレイスケールのほかに、ブラックロック、フィデリティ、インベスコといった他の資産運用会社も、同様の現物ETFの書類を提出しており、SECは、来年までにこれらの申請についても判断を下すとの見方も報じられている。

同日、ブラックロックのビットコインETFが証券保管機関DTCC(The Depository Trust & Clearing Corporation)のウェブサイトに掲載されたことで、承認の可能性にさらに楽観的な観測が広がった。

一方、元SECの弁護士、トム・ゴーマン氏は24日、ブルームバーグのインタビューに、承認されるのは「非常に難しい」との見方を示した。ゴーマン氏は、承認されるとしても、投資家保護のための追加規制などにしばらくの時間を要すると指摘。さらに、暗号通貨がハマスなどのテロリストの資金源になっている点にも懸念を示した。