マンハッタンの老舗ユダヤデリ「バーニーグリーングラス」衛生基準違反で一時閉店

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マンハッタンのアッパーウエストサイドにある、創業1908年創業のユダヤ系デリ「バーニーグリーングラス」(Barney Greengrass)が、市の衛生基準に違反したとして、保健精神衛生局から一時閉店を命じられたことが分かった。

ニューヨークタイムズなどによると10日朝、衛生局が同店に立ち入り検査を行ったところ、食品の不適切な温度管理や、キッチンや食料庫に300近いネズミのふん、キッチンのゴキブリなど51件の衛生基準違反があったという。

同局の広報担当者は「害虫や食品安全上の懸念」があるとして、公衆衛生上の理由により閉店を命じたと同紙に述べている。閉店は一時的なもので、問題を改善し検査に合格すると再開する予定。

同店では、ユダヤ教の贖罪の日「ヨーム・キップール」明けの大量注文に対応するため、従業員らは休む間も無く働いていたという。オーナーのグリーングラス氏は、「このタイミングでの検査に驚いている。」とタイムズに語っている。

同店の衛生基準違反は今回が初めてではない。3月にもネズミや不適切な温度管理が判明し、衛生局からの指導を受けた。また、2016年と2017年にも同様の違反記録がある。

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レストランは故バーニー・グリーングラス(Barney Greengrass)氏が1908年に創業し、現在3代目のゲーリー・グリーングラス(Gary Greengrass)氏が会社を経営する。
フランクリン・D・ルーズベルト大統領から注文を受けたことがあるほか、マリリン・モンローや、ブラッド・ピット、コメディアンのジェリー・サインフェルドなどの著名人が訪れたことでも知られる。
昔ながらの趣のある店内は、映画『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』や『ユーガットメール』、ドラマ『LAW&ORDER/ロー・アンド・オーダー』などのロケ地として使用された。店頭には撮影シーンが飾られている。