米上院で超党派の議員4名が「ホット・ロティサリーチキン法案」を提出した。農業法案を前に、超党派の合意形成に向けた地ならしといえる。
現行のSNAP(補助的栄養支援プログラム)では温かい調理済み食品の購入が禁じられており、店頭で焼き上げたロティサリーチキンも一度冷まさなければ対象外となる。この「冷ませば買える」という非合理なルールを是正し、約4200万人の受給者が5ドル前後の温かいチキンを直接購入できるようにする。
法案を主導するジャスティス議員(共和・ウェストバージニア)は「忙しい親や祖父母が家族に温かい食事を出せるようにする常識的な改革」と強調。フェターマン議員(民主・ペンシルベニア)もコストコの4.99ドルチキンを引き合いに「米国最高のコスパ食品」とアピールした。“$4.99”という具体的価格が言及された点は、インフレ下における“基準価格”の政治化を示唆する。
下院では共和党クロフォード議員が対応法案を準備しており、農業法案の審議で両党から賛同を得ている。
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注目すべきは、SNAP拡大ではなく「既存枠内の合理化」という設計だ。対象はロティサリーチキンのみに限定され、レストラン適用や予算増額は含まない。全米養鶏協会も「コスト増なしの常識的改革」と即座に支持を表明している。
2026年農業法案をめぐっては、下院が審議を先行させる一方、上院では60票確保のため超党派合意が不可欠であり、特にSNAPが最大の対立点となっている。今回の法案は、削減や拡張といった対立を避けつつ、「制度をどこまで調整できるか」を測る低リスクな試行といえる。
ポイント
- SNAP改正で超党派連携、農業法案審議の地ならし
- 「拡大なき合理化」路線で財政保守派の反発を回避
- 食品業界が即時支持、ロビイング体制は整備済み
- ロティサリーチキンは小売のロスリーダー。「公的給付×集客商品」の接続で、来店頻度を起点とした購買バスケット拡張を誘発できる。

