なんで払わなければならないの?飛行機の「9/11保安料」ネットで議論

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旅客機を利用すると運賃以外にさまざまな料金が課金される。代表的なものは燃油の市況価格に基づいて定期的に改訂される「燃油特別付加運賃」だが、この度、不明な料金が上乗せされていたとするユーザーのツイートにコメントが多数寄せられ、話題になっている。

ユーザー@valley_ghoulは、ユナイテッド航空の支払い明細をシェア。「なんで私が9/11料金を徴収されるの」と投稿した。

内訳を見ると、262.32ドルの運賃に複数の税目と空港の施設利用料などに加えて、「September 11th Security Fee」という名目で5.6ドルが計上されている。

この投稿に対して、あるユーザーは「忘れちゃったの?こうやって思い出させているんだ」とコメント。別のユーザーは「なぜ9.11ドルにしないんだ」と疑問を投稿した。

各目はそれぞれ2度課金されているが、9/11料金も2回徴収されていることに、「タワーごとに課金されているんだ」と冗談まじりの解説をするユーザーや、「ニューヨークを飛ぶからなの?」「私も9月11日に乗るんだけど、かかるのかな」と混乱する声も投稿されている。

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運輸保安庁(TSA)はホームページで、9/11保安料を「国の航空運輸システムの安全を確保するために増大するコストを賄うため、議会で義務付けられた保安料金」と説明している。

チケット購入時に航空会社が乗客から徴収し、航空会社からTSAに支払われる仕組みだという。料金は片道5.6ドルで、往復に課される費用は11.20ドルを超えてはならないとしている。

昨年は38億ドル(5,500億円)を徴収

TSA HPより

同時多発テロ事件を受けて法が施行された当初、料金は片道2.5ドルだったが、2013年の改正で現在の5.6ドルに値上げされた。

2002年度に徴収した総額は9.95億ドルだったものが、コロナ前の2019年は42億ドルで、4倍以上に膨れ上がった。2021年は25億ドルに落ち込んだが、昨年は38億ドル(5,500億円)まで回復している。

保安以外の使徒に?

保守派の活動団体「Judicial Watch」は2019年、議会は2013年の予算法に基づいて本来は航空の保安に使用されるべき数十億ドルを、他の使徒に流用していると報告した。

それによると、2013年以降の10年間、9/11保安料として集めた資金のうち130億ドル近くが、「赤字削減」とその他の政府部門に充てられるよう、政府の一般資金に入れるよう義務付けられたという。

同団体は、TSAの予算を航空保安に関係のない使徒に振り分けることは、検査の行列の異常な長さや人員と設備の適切な配置などについて、多くの問題を引き起こしていると指摘。TSAには手荷物や乗客を適切に検査することで安全を確保する責任があるにも関わらず、むしろ「恥ずべきセキュリティ上の欠陥とそれを隠蔽しようとする取り組みでよく知られている」と非難した。

過去10年にわたって重大な違反や失態があったとし、 これらには、秘密演習中に銃や爆弾が紛失したこと、職員が文字通り居眠りしたり乗客から物を盗んだりしたこと、手荷物の適切な検査の怠り国家の安全を危険にさらしたなどの違反行為があるとした。