雪に埋まった車中で女性死亡 救助得られず NY州

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記録的な寒波に見舞われたニューヨーク州北西部バッファローで24日、女性が雪に埋もれた車の中で死亡しているのが発見された。

亡くなったのはアンデル・テイラーさん(22)。23日、老人介護施設での仕事を終え、帰宅する途中で車が立ち往生した。遺族によると、救急隊員に通報したが、救助を得られなかったという。翌日に家族が携帯電話で車の場所を特定し、SNSで助けを求めたが、発見された時には息を引き取っていた。

テイラーさんの姉妹シルビアさんは26日、TikTokに投稿した動画で、姉妹が交わしたチャットや動画とともに、事故の経過を報告し、テイラーさんを追悼した。

最初に連絡があったのは、23日午後4時過ぎ。テイラーさんから「猛吹雪に閉じ込められた」とテキストメッセージがあった。テイラーさんはこの約2時間後、既に3時間立ち往生していると説明。雪はマフラーのあたりまで積もり、タイヤが雪で埋まっており、運転できなかったと状況を知らせた。午後8時半ごろには、救助を求めた警察官も「立ち往生」したため、別の救急隊員の派遣を要請したが「20分以上待たされている」などと明かした。救助を待つ間、一服しながら仮眠を取ると伝え、朝まで助けが来なければ、歩いて帰宅すると説明していた。

最後の連絡があったのは深夜過ぎで、吹雪の様子や、道路で大型車がライトを点灯したまま停車している動画を送った。

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翌朝タイラーさんからの返信が途絶えたため、家族は携帯電話の位置情報をもとに、車の捜索を開始。午後9時ごろ、家族のFacebook投稿を手掛かりに、付近の住民がテイラーさんの車を発見したが、既に死亡していた。その後も救助は得られず、遺体は25日夜、ボランティアの人々や親族が車から運び出したという。TikTokの動画には、雪に埋もれた車の様子が投稿されている。

エリー郡の検視局は死因について発表していない。ただし母親はニューヨークポスト紙に、タイラーさんがエンジンをかけたまま眠ったため、一酸化炭素中毒で死亡した可能性があると語った。州や市の対応について、寒波に対する「備えが万全ではなかった」と非難した。ちなみに職場と自宅の距離は車で約8分だという。

エリー郡の発表によると、27日現在の死者は31人となった。約半数は屋外で死亡していた。車の中で死亡したのは、テイラーさんを含め3人だという。バッファローのブラウン市長は、立ち往生した車両は、全て車内を確認し、テープでマーキングしていると発表している。