マンハッタンの高級コンド、高さが半分に?一部撤去を命じる判決

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ニューヨーク郡地方裁判所のW・フランク・ペリー(W. Franc Perry)判事は14日、マンハッタンのアッパーウエストサイドに建設中の高層ビルが、ゾーニング規制に違反しているとし、市に建設許可の取り消しを求めると共に、開発事業者に制限を超える階層部分の撤去を命じた。撤去対象となる具体的な階層数は明らかにしていないが、20階以上だとみられている。

規制違反とされたのは、ウエスト69ストリートにある52階建ての高級コンドミニアム「200 Amsterdam Ave」で、SJPプロパティーズ(SJP Properties)と三井不動産アメリカのジョイントベンチャーが手がける。完成後は高さ200メートル以上となり、アッパーウエストサイドで最も高い建物となる予定だった。
既に販売が開始されており、公式サイトによると1ベッドルーム(120平方メートル)が約3.4億円から、4ベッドルーム(435平方メートル)が23億円で販売されている。

訴えを起こしたのは、公共芸術協会(MAS)と環境上健全な開発委員会(CFESD)の2つのNPO法人。原告は「ゲマインダード・ゾーニング・ロット」により、違法に高層ビルを建設したと主張した。

判決を受け、MASのエリザベス・ゴールドスタイン(Elizabeth Goldstein)会長は、「今後都市の隅々まで影響を及ぼすであろう、危険な先例を防ぐことができる、画期的な判決だ。」と評価した。

17日には、ゲール・ブリューワー(Gale Brewer)マンハッタン区長や地元議員らがビルの前に集い、CFESDの会長オリビア・フロイト氏らの健闘を称えた。

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スコット・ストリンガー(Scott Stringer)会計監査官は会見で、ウエストサイドだけでなく、ブルックリンおよび町全体にとって重要な判決だと述べた。amNewYorkによると、現在ブルックリン植物園の隣に高層ビルの建設が予定されており、植物の育成が阻害されると反対運動が起きている。

ニューヨーク選出のジェロルド・ナドラー(Jerrold Nadler)連邦下院議員は「市は中間所得、低所得層、裕福な人全てのために戦う必要がある。裕福な人だけの街であってはならない。」と語った。
リンダ・ローゼンタール(Linda Rosenthal)州下院議員は、不動産開発事業者による法の抜け穴の利用を防ぐため、新たな法案を提出する予定だと明かした。

SJPプロパティーズの代理人は、上訴を検討していると報じられている。