トランプが栄誉に飢えるワケ、臨床心理士の親戚が解説

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Saku_rata160520/shutterstock

臨床心理士で、トランプ大統領の姪に当たるメアリー・トランプ氏は、叔父が称賛や承認に飢え、それを貪欲に求め続ける背景には、親子関係に起因する深いトラウマがあると指摘した。

メアリー氏は10日に投稿したニュースレター配信サイト「Substack」の記事で、5日のFIFA抽選会でトランプに授与された「平和賞」について言及。ノーベル平和賞に手が届かないトランプのために、FIFA幹部が“ひねり出した”かのような「偽物同然の無意味な栄誉」だと批判し、「なぜドナルドは、自分を良く見せるために、これほどまでに無意味な行為すら必要とするのか」と疑問を投げかけた。

授賞式でトランプは、特別に用意されたメダルが会場に運び込まれるや、インファンティーノ会長の案内を待たずに自ら手に取り首にかけた。「私の人生で最大の栄誉の一つだ」と述べた姿に、SNSでは「哀れだ」との嘲笑と同情が入り混じった反応が広がった。

メアリー氏はこうした振る舞いの背景として、「家父長的で権威主義的、社会病質者」だった祖父フレッド・トランプ氏の育て方に言及。自身の著書『Too Much and Never Enough』(2020年)の一節を引用し、金こそすべてを信条としたフレッド氏の偏った愛情が息子ドナルドを「愛され得ない存在」にしてしまい、「絶望的な愛への渇望」だけを残したと説明した。

そのうえで、トランプは埋まることのない“永遠に届かない愛”の空白を埋めようと、金や権力、勲章など他のあらゆるものを際限なく求め続けていると分析。「内心では、愛を置き換えられるものなど存在しないと彼自身も理解しているはずだ」とし、「その理解の代償を、私たちみんなが払わされているのだ」と締めくくった。

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一方でメアリー氏は、9月に出演したポッドキャスト番組で、叔父の最近の振る舞いが祖父の晩年の姿と重なることがあるとも指摘している。

番組では、「時々みせる混乱」が祖父と共通するとし、「目の前の人さえ忘れてしまう。それは祖父に見た興味深い体験だ」と語った。

フレッド氏は晩年、認知症を患い、「自分にとって重要ではない人」から順に忘れはじめ、ついには60年連れ添った妻のことさえ分からなくなったという。さらに「財産をすべて失った」という妄想にとらわれ、介護する妻を「小切手を盗んだ」と責め立てることもあった。