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平手打ち問題でアカデミー退会のウィル・スミス、俳優業への影響は?

映画芸術科学アカデミーによる懲戒処分の決定が下る前に、自ら退会することを選んだ米俳優ウィル・スミス。平手打ち問題が今後のキャリアにいかなる影響を与えるか、様々な憶測が飛び交っている。

ウィル・スミスは先月27日に開催された第94回アカデミー賞授賞式で、プレゼンターとして登壇したコメディアンのクリス・ロックが、客席にいた妻ジェイダ・ピンケット・スミスの髪型をネタにしたことに激怒。本番中のステージに上がって、ロックに平手をお見舞いした。席に戻った後もFワードまじりに「妻の名を口にするな!」と繰り返し叫んだ。なおジェイダは脱毛症であることを公表している。この後、ウィル・ウィルスミスは会場はとどまり、映画「ドリームチーム」のリチャード・ウィリアムズ役で初の主演男優賞を獲得した。

世界200カ国以上に配信されるエンターテイメントの最高峰の祭典で、登壇者が有名俳優から暴行を受けるという前代未聞の事件に、各方面からは、ウィル・スミスやこれを許した主催者、参加者に対する非難の声が相次いだ。

なおアカデミー側はAP通信に、ウィル・スミスに退出を求めたが拒否されたと話しているが、TMZは、ショーのプロデューサーがウィル・スミスに授賞式にとどまるよう求めたと報じており、情報が錯綜している。

キャリアへの影響は?

アカデミーのデビッド・ルービン代表は1日に発表した声明で、ウィル・スミスの退会を受領したことを明らかにするとともに「4月18日に開催される理事会に先立って、アカデミーの行動基準違反に対する懲戒処分手続きを継続する」と発表した。団体は懲戒処分について「資格停止や追放、その他の制裁」の可能性があるとしている。

Deadlineによると、情報筋は、ウィル・スミスはアカデミーとの協議の中で、追放期間が10年以上になると話されたことが、自らの退会発表につながった可能性があると話した。賞が剥奪される可能性については、アカデミー側では話し合われていないと明かした。ただし、前年度の受賞者が翌年のショーでプレゼンターを務めるのがアカデミーのならわしだが、ウィル・スミスがこれに従って出席できる見込みはないと指摘している。

ハリウッドレポーターは、ウィル・スミスは退会したことで、今後は自身が投票できなくなるが、将来のノミネートが禁じられることはないと報じている。ただし、複数の関係者は同サイトに、今後ウィル・スミスに投票することはないと話しており、受賞への影響は長引きそうだ。

ウィル・スミスは、米アップルが配給権を獲得した映画「Emancipation」の撮影を終えている。リリースの日程は明らかにされていないが、2023年のノミネートが期待されていた。

同サイトはまた、ハリウッドでは、今回の騒動はウィル・スミスにとって一過性の問題との見方が大勢だとして、関係者らの声を紹介している。

ある映画スタジオの幹部は「彼は少しペナルティボックスに入らなければならない」としつつ、テレビの大物司会者のインタビューを受ければ「洗い流されるだろう」と語った。さらに「現場で暴力を振るったこともない。非常に親切にしていた」と説明。「ドリームチーム」ではウィル・スミスがキャストにボーナスを提供していたと指摘し、これまでの振る舞いが問題の助けになるとの見方を示した。

別の幹部は、クリス・ロックと公に和解するなど、イメージ回復の道筋はあると指摘した。ただし、キャスティングをめぐってスミス本人や共演者らがメディアの質問責めにさらされるのは必至で、プロジェクト推進に伴うこれらの課題を見越して、起用に二の足を踏む可能性を示唆した。

一方、あるマーケティング関係の幹部は、ウィル・スミスの一連の対応から、本人の「ダークサイド」が明かされたと指摘。平手打ちに加えて、受賞時の自己正当化ともとられるスピーチ、打ち上げパーティーでのダンス、インスタグラムでの謝罪は「浅はかで不誠実」だとし、今後のキャリアに長い影響を及ぼすだろうと語っている。

なおアカデミーのほかに、全米映画俳優組合もウィル・スミスに対する処罰を検討していると報じられている。

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