民主党のベテランストラテジスト、ジェームズ・カーヴィル氏は、トランプ大統領は2期目が始まってまだ1年目を迎えていない段階で「終了している」と宣言した。
12月1日配信のThe Daily Beastのポッドキャストで、カーヴィル氏は国民の深刻な窮状を指摘。「不平等や格差があるだけでなく、国民の40〜45%が生活費の請求書すら払えない。若者たちは将来が見えず、家を買ったり教育を受けたりする自分を想像できない」と語った。
さらにトランプ政権の政策を痛烈に批判。「4兆ドルの巨額借金増加、富裕層への追加減税を実施した一方で、地方病院などの国民生活に欠かせない補助金を削減した。若者たちはこれを見て『あいつらは私たちからすべてを盗んだ。だから自分たちの正当な分け前を取り戻そう』と思うだろう。それが社会不安の始まりだ」と警告した 。
カーヴィル氏は11月初旬の州・地方選挙を「深さと広がりで予想を上回る衝撃」と評した。共和党はニュージャージー州・バージニア州知事選、ニューヨーク市長選で大敗。さらに、トランプ氏が過去に20ポイント超の差で勝利したテネシー州の連邦下院選(12月2日投開票)でも接戦が予想される 。
最新ギャラップ調査ではトランプ氏の支持率は36%と2期目最低を記録している。こうした状況をカーヴィル氏は「重要な政策を成し遂げる意味で、彼の政権は終わった」とキッパリ。「民主党優勢の下院は確実で、上院も可能性が高い」とトランプ政権はレームダック(死に体)を免れないと予告した 。
▪️民主党に「ポピュリスト回帰」を提言、NYT寄稿
先週のニューヨーク・タイムズ寄稿で、カーヴィル氏は「狂騒の20年代以来最大の経済格差に国民は『すでに反乱』を起こしている」と分析。この状況を「民主党にとっての最大の贈り物、セカンドチャンス」と位置づけ、「大恐慌以来最もポピュリスト的な経済政策を掲げよ」と民主党に迫った 。
具体的には「包括的で攻撃的、飾り気なく妥協しない純粋な経済怒りのプラットフォーム」を提唱。過去の民主党を「パフォーマンス的なwoke政治が地方・男性有権者のブランドに永遠の汚点を残した」と切り捨て、「二度と道徳的絶対主義の政党になってはならない。常に経済怒りで未来志向の対応を」と転換を促した。
最低賃金20ドル化、公立大学無償化、農村ブロードバンド拡大、ユニバーサル・チャイルドケアなどの「大胆でシンプルな政策」を「恐れるな」と主張。「挑戦を恐れて何度も選挙に敗北した。半端な政策の時代は終わりだ」と断言。最後に「歴史を学ぶ者なら、アメリカにフランス革命の風が吹いているのがわかるだろう」と、社会変革の機運の高まりを強調した。
