保守派SNSで「納税拒否」拡散 MAGA支持者、政権運営に反発

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トランプ大統領支持者 バー
©mashupNY

トランプ第二期政権の発足からまもなく1年を迎えるなか、政策運営に不満を募らせる保守派のSNS界隈で、「納税拒否」を呼びかける動きが拡散している。

保守系政治団体「Turning Point USA」のコントリビューターであるサバンナ・ヘルナンデスは12月31日、X(旧Twitter)上で「今年は税金を払わない」「国税庁が追及してきたら、全国的な騒ぎにしてやる」と投稿し、連邦政府および州政府の腐敗に強く抗議した。

ヘルナンデスは投稿の中で、「ペンタゴンは8回連続で監査に失敗し、ソマリア人たちが文字通り何十億ドルも我々から騙し取るために米国に来ている。不法移民はセクション8や福祉プログラムによって、アメリカ人よりも優遇されている。これ以上、こんなものに金を払うつもりはない」と主張。さらに別の投稿では、「逮捕者が出て、不正が是正され、資金の使途が正されるまで、納税をやめるべきだ」と書き加えた。

こうした主張の背景として注目を集めているのが、昨年末にミネソタ州で浮上した公金不正疑惑だ。YouTuberのニック・シャーリーは、ソマリア系が経営する保育施設を訪れ、子どもの姿が見当たらないとして職員を問い詰め、「1億ドル超の公的資金が不正に受給されている」と主張した。動画はSNS上で爆発的に拡散し、トランプ政権は州への保育関連資金を凍結した。

ただし、撮影は通常の営業時間外だったとの反論もあり、疑惑の真偽は確認されていない。州当局や地元メディアも、「現時点で具体的な詐欺の証拠は確認されていない」と報じている。

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この動きに呼応したのが、まもなく退任予定のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和党・ジョージア)だ。彼女はヘルナンデスの投稿をシェアしつつ、「4兆ドル近い国家債務、崩壊寸前の社会保障制度。もし何百万人ものアメリカ人が同じ行動を取ったら、どうなるだろうか」とコメントを添え、事実上、納税拒否に支持を示した。

グリーンによれば、機運はすでに高まっているという。「全国的な税金ストライキが起きようとしている」と主張し、同様の声を上げる保守派の投稿を相次いでシェアしている。

「国税庁に言いたい。もう終わりだ。私は降りる。アメリカの皆、私と一緒にやろう」
「腐敗が止まるまで、国全体で税金の支払いをやめるべきだ。奴らの痛いところを突け!」
「政府は、私たちが血を流して稼いだ金を、戦争と詐欺に燃やしている。もう付き合うつもりはない」

トランプ陣営の中核的支持者として知られてきたグリーンだが、トランプ2期目に入り、政策をめぐって公然と批判を展開している。かつて自らが支持し、彼を大統領へと押し上げた「アメリカ・ファースト(自国第一主義)」を裏切ったと非難している。

6月には、トランプがイランの核施設への空爆を承認したことを強く批判。さらに、H-1Bビザ制度の段階的廃止法案を支持し、同制度を擁護したトランプと対立した。また、性犯罪で有罪判決を受けたジェフリー・エプスタインをめぐる未公開の捜査資料公表に否定的な大統領の姿勢についても、厳しく批判している。

加えて、グリーンはイスラエルによるガザ地区での行動を「ジェノサイド(虐殺)」と呼び非難した。共和党指導部についても、政府閉鎖中に医療保険制度の補助金失効への対応を怠ったとして批判を強めている。

こうした一連の発言を受け、トランプは11月、グリーンへの支持を撤回した。さらに、彼女の選挙区で対立候補を支援すると表明。その約1週間後、グリーンは議会を辞任する意向を明らかにした。