「ヒラリーと同じ」MAGA論客がトランプを痛烈批判

22
lev radin/shutterstock

トランプ第1期政権で首席戦略官を務め、MAGAコミュニティに大きな影響力を持つスティーブ・バノンが、イラン情勢をめぐるトランプの発言を、ヒラリー・クリントンやオバマ政権高官と同じだと痛烈に批判。MAGA内部の不満を浮き彫りにしている。

米メディアThe Hillによると、ここ数日間イラン各地で続く反政府デモは、2022年以来最大規模に発展している。人権団体は少なくとも29人が拘束されたとしており、準国営のファルス通信は、警察署への襲撃により3人が死亡、17人が負傷したと報じている。

こうした中、トランプは2日、自身のSNS「Truth Social」に投稿し、イラン当局が「平和的な抗議者」を暴力で鎮圧した場合、「米国が救出する」と警告。「われわれは準備万端整えており、いつでも出動できる」と述べ、軍事介入も辞さない姿勢を示した。

この発言に対し、バノンは自身のポッドキャスト『War Room』で強い不快感を示した。
「今ごろ皆、冗談を言っているよ。『サマンサ・パワーやヒラリー・クリントンが、マー・ア・ラゴの大晦日パーティーに招待されたんじゃないか?』ってね」と皮肉り、「大統領の“われわれは準備万端だ(locked and loaded)”という言葉は、サマンサ・パワーやヒラリー・クリントンの教科書そのものだ」と切り捨てた

一方でバノンは、軍事介入ではなく経済制裁の継続を主張。「聖職者たちに経済を“運営”させておけばいい。彼らにはその知識がない」と述べ、「経済は崩壊し、ペルシャの人々はかつて国王を打倒したように、再びこの連中を打倒するだろう」と語った。

Advertisement

批判の輪は、MAGA陣営の政治家にも広がっている。
1月5日に辞任を控えるマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(共和党・ジョージア州)は、自国ファーストを裏切ったとしてトランプと袂を分かってきた一人だ。

グリーンは、X上で、「アメリカ人から憲法で保障された言論の自由を奪おうと要求しているイスラエルのサイバーセキュリティ界の億万長者と、戦争をちらつかせイランに軍を派遣しようとしているトランプ大統領。これは、われわれが2024年に反対票を投じたすべてのことではないか」と批判した。

さらに、次のように続けている。
「トランプ支持者たちは今週、自分たちの血と汗で稼いだ税金が、外国人や外国での戦争に無限に浪費されていることに激怒し、“納税反乱を起こす”とまで口にしていた。焦点を当てるべきなのは、国内での税金の使い道と、神から与えられた自由と権利の防衛だ」

グリーンが言及した「イスラエルのサイバーセキュリティ界の億万長者」とは、昨年末にCNBCに出演したシュロモ・クレイマーを指すとみられる。サイバーセキュリティ企業Check Pointの共同創業者である彼は、AIがサイバー戦争に革命をもたらし、民主主義国家が不利な立場に置かれていると主張。「憲法修正第一条を制限すべき時だ。すべてのソーシャルプラットフォームを管理し、オンライン上の全ユーザーを認証し、発言を管理する必要がある」と語っていた。

こうしたMAGA論客の反発に、左派メディアも反応している。
プログレッシブ系YouTube番組『The Young Turks(TYT)』のジェンク・ウイグルは、「バノンは正しい」とした上で、「ヒラリー・クリントンはネオコンで、サマンサ・パワーもネオコンになり、そしてトランプもネオコンだ。誰に投票しても、結局ネオコンが選ばれる」と指摘した

「右派が戦いに加わった。右派の有権者たちは、自分たちが騙されてきたことに気づき始めたのだ」