スパイク・リーが最も尊敬する映画監督は?

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ニューヨークのブルックリン美術館では7日から、地元ブルックリンが産んだ偉大な映画監督、スパイク・リーのインスピレーションの源に迫る企画展「Spaike Lee:Creative Sources」を開催する。

展示作品は、リー監督の個人的な収集物ばかり。写真やポスター、アート作品、スポーツ選手やアーティスのサイン入りアイテムなど約350点が、ブルックリン、スポーツ、写真、家族、黒人の歴史と文化、映画の歴史、音楽の7つのカテゴリーに整理され、監督の創造性の背景を垣間見ることができる。

映画コーナーには、リー監督が収集してきた巨大なポスターや撮影小物がずらり。

スパイク・リー展
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ポスター右から:羅生門(1950)、フレンチ・コネクション(1971)、狼たちの午後(1975)、真夜中のカーボーイ(1969)

リー監督は以前SNSの投稿で、黒澤明監督が「私の真のヒーロー」だと述べ、羅生門が1986年のデビュー作『She’s Gotta Have It』の基礎になったと明かしている。

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スパイク・リー展
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映画ゴッドファーザー(1972)の撮影に使用されたカチンコ

スパイク・リー展
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コッポラ監督のサイン入り。地獄の黙示録(1979)の日本版ポスター

スポーツコーナーには、NBAをはじめとする選手達のサイン入りユニフォームやシューズ、肖像画が豊富に展示されている。

スパイク・リー展
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リー監督にとって音楽は「創造のプロセスの一部」で、台本を書くときに同時に頭の中に流れているという。

スパイク・リー展
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作曲家でジャズ・ベーシストの父のもとに育ったリー監督。ジャズトランペッターの半生を描いた1990年の映画『モー・ベター・ブルース』の関連本の中で、「私が音楽と言っているとき、ジャズ、つまり私が聴いて育った音楽について話している。私が聴く音楽はジャズだけではないが、ジャズが私にとって最も近いと感じる音楽だ」と、自分にとってのジャズの重要性を語っている。

音楽コーナーにはデューク・エリントンやファッツ・ウォーラーから、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデーといった伝説のヴォーカリスト、モダンジャズジャイアント、ジョン・コルトレーンやセロニアス・モンク、マイルス・デイビスなど、数々の肖像画・写真が展示されている。もちろんジャズだけではなく、ブルックリン出身の偉大なヒップホップアーティスト、ノトーリアス・B.I.G.、マイケル・ジャクソン、プリンスなどの思い出の品々も並ぶ。

スパイク・リー展
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↑ニューヨーク地下鉄で昨年販売されたノトーリアス・B.I.Gのスペシャルメトロカード。駅に長蛇の列ができて話題になった。少なくとも4枚を確保した様子。

スパイク・リー展
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↑リー監督が手がけたマイケル・ジャクソンの『ゼイ・ドント・ケア・アバウト・アス(1996)』のミュージックビデオで、マイケルが胸につけた囚人カード。

スパイク・リー展
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↑南アフリカ共和国のアパルトヘイト撤廃と民主化を率いた故ネルソン・マンデラ元大統領と前妻だった故ウィニー・マンデラ氏のサインの入ったアフリカ民族会議の旗。マンデラ氏は『マルコムX(1992)』の最後に、南アフリカの学校の教師役として登場する。リー監督は旗を「最も貴重な所有物」だと話しているという。

企画展は来年の2月4日まで。