ホーム ポリティクス 「次のFRB議長はウォーシ...

「次のFRB議長はウォーシュ氏にならない?」——予測市場に潜む謎のトレーダー

9
miss.cabul / Shutterstock.com

暗号資産ベースの予測市場Polymarketに、異様なポジションが積み上がっている。

2月2日、「トランプ大統領はジュディ・シェルトンを次のFRB議長に指名するか?」というマーケットに、わずか1〜2%という低確率にもかかわらず、正体不明のウォレットが200万ドル超を一日で投入した。その後も買い増し、累計ポジションは250万ドル超に拡大している。さらに同ウォレットは、「2027年まで誰も指名されない」にも約50万ドルを投じている。

トランプがケビン・ウォーシュ元FRB理事を議長候補としてアナウンスしたのは1月30日のことだ。

それだけではない。このトレーダーは、指名発表から17日後の2月16日、今度は「ウォーシュは指名されない(No)」に約50万ドルを追加投入した。そして3月4日に上院への正式送付が報じられた後も、ポジションは変わっていない。

なぜか。上院銀行委員会の共和党議員、トム・ティリスは、司法省がパウエル議長への刑事捜査を中止するまでウォーシュを支持しないと明言している。上院多数党院内総務も、ティリス抜きでは承認は「おそらく不可能」と認めた。

つまり上院によるウォーシュ承認にはまだ障害が残されている。

シェルトンは第一次トランプ政権で欧州復興開発銀行(EBRD)の米国代表を務めた経済学者だ。金本位制への回帰やゼロインフレ目標といった主流から外れた主張を唱え、FRBに批判的な見解を持つとされる。昨年のFOXニュースのインタビューではFRBを旧ソ連の国営銀行のようだと批判していた。2020年にトランプは彼女をFRB理事に指名したが、上院でフィリバスターを打ち破れず(47対50)、本採決に至らなかった経緯がある。CNNは2024年大統領選直前、トランプが勝利した場合、次期FRB議長候補として彼女の名前が挙がっていると報じていた。さらに、保守系ヘリテージ財団の上級客員研究員スティーブン・ムーアは当時、同局の取材に、パウエルの後任に彼女を検討するよう促したと明かしていた。

このトレーダーは一体何者なのか。ワシントンの政治力学を熟知したロビイストか、それとも——よほど確実な情報をつかんでいるのだろうか。

※取引データはPolymarket Data APIより取得・分析した。当該ウォレット(0xa229ff58bdf32a763d5fc3b2a6323dd73b51cbf1)。